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公開日:2021年2月27日
更新日:2022年3月8日
コロナ禍の国際資格に独学で合格シリーズ。今回はPMP(Project Management Professional, プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)を取得しました。
PMPとは?
様々な説明があるが、まずは公式から。
PMP® とは、PMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。
PMP® 試験は、PMI が策定した知識体系である PMBOK® (Project Management Body of Knowledge) ガイド に基づいて実施され、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。
専門知識を有していることを証明するために、米国PMI本部が資格認定を行うものであり、法的な資格、免許ではありません。PMP® 資格は、プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。
PMP® 取得により期待できる効果
プロジェクトマネジメントは、様々な業界で注目されるスキルです。
そして、PMP® 資格は、プロジェクトマネジメントスキルの国際資格として世界中で認知されています。
PMP® 資格の取得は、どの業界においても、どの国でも、大きなアドバンテージとなることでしょう。スキルアップ
- 体系的な仕事の進め方が身につくため、飛躍的に業務の効率化が図れます。
また、ご自分の経験を体系的なプロジェクトマネジメントの方法論として再整理できます。
- キャリアアップ
- この資格の取得によって社内外に対してプロジェクトマネジメントの専門性を証明できます。
- 資格認定後は、名刺への資格名称の記載が可能となります。
- 人的ネットワークの拡大
- PMのコミュニティでの活動を通して、人的なネットワークを広げることも可能です。
2021年高収入IT資格ランキングで5位。平均143,493米ドル(約1500万円)
5. Project Management Professional (PMP)
The Project Management Professional (PMP) certification was created and administered by the Project Management Institute (PMI) and is likely the most recognized project management accreditation available today. It demonstrates that you are competent when it comes to managing projects, including specific aspects like budgets, goals, and teams. You will be tested in the five basic lifecycle steps inherent to any project: initiating, planning, executing, monitoring and controlling, and closing.Before you become certified, however, you’ll need to have completed at least 35 hours of related training before you can take the exam. If you have a Bachelor’s degree, then you’ll also need 4,500 hours of project management experience (those without a degree will need 7,500 hours). Getting a PMP certification takes years, but it’s worth it for those that want this kind of career. Certified PMPs currently earn an average of $143,493 per year.
The 10 Highest-Paying IT Certifications for 2021
プロジェクトマネジメント能力があることを客観的に証明できるPMPは、業種や職種を問わずいかせる資格として注目されています。
世界共通の資格であることから、資格を保有しているとグローバルな人材として重宝されます。
この記事では、PMPについて受験資格、費用、勉強方法などを分かりやすく解説しているので、受験を検討している方は参考にしてください。
プロジェクトマネジメントの国際的に知られた資格ということで問題はなさそうである。
関係しそうなバックグラウンド・経歴・資格・経験
試験に関係しそうな経歴や資格、経験を列挙する。
- Ph.D. 量子物理学 ケンブリッジ大学
- 工学修士・学士(応用物理学・情報工学) 慶應義塾大学
- CAMS (Certified Anti-Money Laundering Specialist 公認アンチマネーロンダリングスペシャリスト)
- CEH (Certified Ethical Hacker, 認定ホワイトハッカー)
- CISA (Certified Information Systems Auditor, 公認情報システム監査人)
- CISM (Certified Information Security Auditor, 公認情報セキュリティマネージャー)
- CISSP (Certified Information Systems Security Professional, 公認情報システムセキュリティプロフェッショナル)
プロジェクトに関係する経験に関係がありそうなもの。
- 外資系コンサルティングファーム勤務(リスク・マネロン・セキュリティ・監査)
- プロジェクトの経験は国内外でいくつか経験
- ウェブサイト・ドメイン、サーバーの運営や基本的なサイバー攻撃対策の設定の経験も含めると約5年+
- いくつかの法人:一般社団法人スポーツ団体の代表理事・理事・監事・エストニア株式会社の代表取締役の経験
- 英語での業務は日本語よりも長い
CISSPの時に既にそうだったが、関連の経験と資格が多めになってきた関係で、純粋なPMPの試験対策エントリーとしてはあまり効果的でない可能性がある。予めご了承いただきたい。
吉野家チャレンジ
さて、今回のPMPの受験には、個人的にチャレンジを課した。「早く・安く・受かる」である。
次の記事によると正確な並びは異なっていたり、時代と共に変わってきているようだが「うまい、やすい、早い」と言えば吉野家ということで「吉野家チャレンジ」と名付けたい。
開始
まず全体の雰囲気をつかむために、費用をかけずにKindleでPMPの本を探した。契約しているKindle Unlimitedに次の本を見つけた。これを通読した。
目指せPMP PMBOK第5版対応: 最速でPMPに合格するための解説書 中嶋章
受験した試験はどうやら第7版だったが、この本は5版であった。しかし安く手に入るもので試験の内容が網羅されていることを優先した。
さて、これを読んだ際、PMPの範囲の7-8割は既知の内容であると感じた。
公式には合格率や合格得点は非公表なものの、大体6割程度で合格と書いてあったため、「ひょっとすると、これは対策なしでもすぐにいけるのではないか・・・?」とこの際に思った。(ここで吉野家チャレンジを決心するに至った。)
さてこれだけでは対策になっていないので、2021年1月の第7版対応で検索した限りでは評判も良く、最新版に対応しているという次の本を購入。勉強方法はどんなにテクノロジーが進歩しても、付箋を貼り線を引き紙に書くのが最も定着率が良いことを体感しているため、紙の本を購入した。
PMP®試験合格虎の巻 新試験対応
これを何週か取り組み、問題を解き、内容を把握した。
ここで、これ一冊では不十分・役に立たないという口コミの意見をちらほら見かけたため、念のためもう1冊取り組むことにした。ただしここでも「安く」は継続した。
Kindle Unlimitedに次の本を発見。2021年の最新版対応かつ、Kindle Unlimitedに入っているため、個人的には無料で手に入った。
確かにこれに取り組んだときに、(日本語で取り組んでいたために、英語との訳の差などもあったが)「PMP®試験合格虎の巻 新試験対応」でカバーされていない部分も散見された。
上記の2冊を何週も取り組んだ。単語も調べつつ、誤りの選択肢の説明も把握した。
受験資格を取得
試験対策と並行して、PMPの受験資格を取得するには研修を受ける必要がある。これはオンライン動画でもよい。
吉野家チャレンジを継続中の私は、ここでも「最も安く・最も早く」この受験資格を得られる方法を探した。
これを念頭に以下検索すると予測変換で”pmp cheapest 35 contact hours”と表示された。みんな考えることは同じであった。
様々な場所で薦められているUdemyの一番安い「PMP Exam Prep Seminar – Pass the PMP on Your First Attempt」(1820円)を選択し、受講した。
この研修の動画を、途中で脇で流しながらアマゾンプライムやTVerを別画面で開きたくなる衝動を抑え、どうにか最後まで動画を見切って証明書をゲット。
この時の気分的は「だってー、出席しないと出席点くれないし、出席点足りないと試験受けられなくて単位落とすんだよね、まぢだりぃ」という感じの、ゴールデンウィーク前後の大学デビューしたテニサー、授業にあまりやる気が無い大学の1年生の一般教養の授業に嫌々出るスタンスのそれと同じであった。
受験申請
PMPはプロマネの経験を提出する必要がある。特にプロマネの経験の概要が1つにつき250 word以上と、意外とボリュームがあったが、いくつかのプロジェクトを突っ込み、申請。
「基本的に5日以内に返事をする」と書いてあるものの、4日経ってもメールが来なかったため、pmiのマイページを見てみたら、どうやら無事に受理されていた。これにより、ようやく受験が可能になった。受験の予約に進む。最初の本をKindle Unlimitedの本を購入してから11日、ようやくPMPの受験資格が揃った。
試験
試験は自宅からの受験か、テストセンターで受けるかを選ぶことが出来た。
まず自宅オンライン受験はあまり好きではなかったため、コロナ禍の行きつけの観光地であるテストセンターで受験する方式を探した。しかしテストセンターでの試験は、予約可能な実施日が約一ヶ月後まで無かった。
ここで一ヶ月も待っていたのでは「早い・安い・うまい」の吉野家チャレンジではなく、どちらかというとゆっくりで高級な感じの高級すき焼きの今半や、焼肉の叙々苑みたいになってしまう。
一方、自宅からのオンライン受験では翌日にでも受験が出来ることが分かった。しかし本業の会議や料理教室などの都合で、翌々日に受験を決定した。試験日は吉野家チャレンジ開始から13日目である。なお自宅オンライン受験の録画・録画で監視されながら受験をするアレな感じについては別の記事にまとめておきたい。
PMPの試験は、180問を240分(4時間)で回答する形式。CBTのように最初の方の正誤で後の方の問題が変わるものではなく、問題は既に決まっている方式。60問ごとに最大10分間の休憩が取れる。休憩を挟むと休憩より前の問題には戻れない。要するに単純計算で「80分60問の3セット」取り組む状態である。
ネットで検索してる際には、どこかで200問という記述も見たような気がするが、私が2021年2月に受験したものは180問であった。そしてそのうちうち何問かはダミーの問題のようだが、正直そんなことは受験者が気にしてもしょうがないので、なるべく多く正解することを目指した。
迷う問題はやたら多く「どちらも正解」や「全部不正解」に見える感じの問題が散見された。例によって英語の日本語直訳なのでところどころ引っかかるものもあった。これも英語も参照すれば、誤訳と取れそうな問題で正解にたどり着くものもあった。
吉野家チャレンジ中とはいうものの、試験の時間は多めに使い、大体77分×3回という感じであった。さすがに試験中はタイムトライアルをしなかった。そこまでの勇気と冒険心なかった。「残り5分!」とか色が変わって点滅していた気がする。脱出ゲームの残り時間で音楽変わる感じと一緒じゃないか。
最初の数問が「?」と感じるような問題は、調子が狂うのでやめてほしい限りである。立て直しに向けたメンタルトレーニングが必要になってしまうようにも感じる。
残り2分ほどで「うーん、6割は超えたとは思うけど、どうなんだろう?見直しをしてもあっているかわからないし、最初の2セットの60×2=120問は見直しも出来ない。残り2分らしい。もうこれ以上は改善されないかな・・・?」と思い半ば疲弊と諦めも混じって終了を選択。
直後に「おめでとうございます!」と表示された。どうやら無事合格したようである。なんだかやたら「快挙です!素晴らしい!よく頑張りました!」のような大げさとも感じる文面であったような記憶がある。
その直後に簡単な問題に対するアンケートがあった。ここで合否判定後にアンケートがあると、合否がアンケートに影響を与えそうである、と思ってしまった。
数時間後にはメールが送られてきた。合格証とついでに詳細なスコアも公開されていた。見た感じBelow target(合格基準未満)の項目はなく、案外高得点の様子であった。
「PMP吉野家チャレンジ」の最終的な結果は、最初の本の購入から、合格までで13日であった。使った費用はUdemyのWeb研修と虎の巻の教科書の合計で約5000円(Kindle UnlimitedやPMI登録費は入れていない)。国際的なデファクトスタンダード資格の取得としては、いい線いっているのではないだろうか。
ただし「吉野家チャレンジ」は、仮にPMP受験で失敗すると、吉野家どころかランチに今半、夜に叙々苑で食べてもお釣りがくるくらいには費用の負担が大きくなってしまうので注意が必要である。取り組む際は慎重になることをおすすめする。
この結果についてPMPの用語で考察をすると、主なクリティカルパスは受験資格の認定であった。仮に監査に選ばれることを考えると、受験審査に必要な研修を先に受けないといけない。実際には監査に選ばれなかった場合には証明書の提出が不要であったので、ファストトラッキングとして、審査と研修を並行するともっと期間を短く出来て、10日以内も狙えたかもしれない。
まあ監査に当たらなかったことや、研修の証明書を取得せずとも申請が出来ることは後でわかったことなので、受験開始時から見た「PMP吉野家チャレンジ」としてはこれが最適に近いと思われる。
「問題集と全然違う」問題について
色々とネットを探していると、様々なコメントが見られた。「簡単だった。」というコメントが見られる一方で、「何回やっても合格できなかった」というコメントも見られた。
確かに本番には今まで見たことが無いような問題が多かったが、それは字面上見たことが無いものが多かっただけで、聞いていることは参考書通りであったように感じられた。
ここで「PMPは参考書と問題が全然違って参考にならない」・「模擬試験を9割正解しても本番だとボロボロ」という意見は、おそらく捉え方なのではないか?と考えている。
個人的には利用した参考書は非常に役に立ち、これらを利用して合格したように感じている。おそらく模擬試験を丸暗記しても合格が出来ない、というのはおそらく数学や物理の公式や例題の解き方を暗記しても、大学入試本番では得点が取れない、と言っている状態に近いように感じる。
PMPに関しては「プロジェクトのある条件下でどうするか?」についての汎用的な理解が求められている。一部は暗記と思われる問題もあったが、大半は単語の暗記ではない。これには仮説思考や思考実験が有効であると考えている。
思考実験・仮説思考
思考実験や仮説思考は、主に理科(数学・物理)で利用される思考方法である。これらを組織のプロジェクトマネジメントに適用すれば解決すると思われる。
例えばこんな感じである。
統合変更管理という方法があるが、これはなぜあるのだろうか?仮に統合変更管理が無いと、プロジェクトに変更が加えられた際に、変更を加えた本人以外に知られる方法がなくなる(か少なくなる)、この変更が他の部分に影響することもあるし、変更したことによってスコープから外れたりして予算などにも影響する可能性がある。要するに統合性が崩れていく、このためスコープを守りながら効率的に問題が無い変更だけを加えていくには統合変更管理があることで付随する問題が解決する。
各操作や取り決めが何のためにあるのか?仮にないとどうなるのか?どちらを先にやらないと成り立たないか?を思考実験のように頭の中で実験をしてみて「ああ、これなら成り立たないわ」とか考えながらやれば精度は上がっていくものと思われる。
業務関係の資格はこの方法で合格するように思っている。
監査やセキュリティの資格を生かした転職
資格取得を目指す人が気にすることに、転職があるだろう。
これらの資格を生かした転職は、基本的に年収が高めになることと、この業界では日系よりも外資の方が資格を認めやすい傾向にあるので、いわゆるハイキャリア系のサイトに集まりやすくなっている印象である。同時に、スポットでも入れるような資格であるため、エンジニアやフリーランスも、資格名で検索すると多くの案件がヒットする。
IT系か英語も出来れば外資が主な転職先になるだろう。
以下のようなサイトでは、それらの求人が集まっている。(案件はメールで監視をし、該当する案件を発見し次第、随時追加している。)
大学院生の就職活動を支援してきたアカリクだからこそできる院生を知り尽くした転職サポート。それが『アカリク転職エージェント』
一般的に転職の求人は業界の仕組みとして、会社よりも、担当者・案件・タイミングの組み合わせによるので、一つのサイトだけに登録するよりも、興味がある分野に引っ掛かるサイトに片っ端から登録し、自分でメールのフォルダやフィルタ等で管理することが最適になる。
利用者は基本的に無料なので多く登録しても損することはない。
(もちろん掲載サイトとしては、多く登録して欲しい!が、実際に私も就職する際には、該当するサイトを片っ端から登録した。そしてそのメールから案件を見て記事に組み込んでいる)
なおLinkedinで資格名を書いておくと、たまに海外からも連絡が来るが、これは狙って案件を見ることは難しい。
以上吉野家チャレンジ・思考実験など、参考いただければ幸いである。
参考リンク
PMP®試験概要:受験資格・難易度・勉強法など|2021.01更新
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