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公開日:2023年4月8日
更新日:2023年4月8日
2023年3月、14年ぶりの日本人JAXA宇宙飛行士候補者が発表された。
JAXA宇宙飛行士候補者(2021~2022年度 募集・選抜)の決定について
以前までの記事で上げているが、筆者もこの候補者試験に応募していた4,127人の中の1人であった。
先日、選抜試験のマイページが閉鎖され、宇宙飛行士選抜受験証明証が送られてきて完全に選抜試験が終了した。
ただこの宇宙飛行士試験、見方によっては「ある1つの団体の1つの職種の就職試験」を受験したまでである。
しかしながら、ただの就職試験を受験したことによって、その過程と、その後にもいろいろいいことがあったので、そのことに関して「「JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験受験者」のその後」としてまとめておきたい。
宇宙飛行士候補者選抜受験証明証
が届きました。宇宙飛行士になれませんでした証明証。ただ応募しただけでも、人生を改めて再考して、結果的に研究職に転職出来たし、一般教養に詳しくなったし、健康体になるどころか全身筋肉質になったし、何より楽しかったし、無料なのにいいことづくめだった! pic.twitter.com/tySie0VPf8
— はじめ (@Hajime77com) April 3, 2023
宇宙飛行士選抜試験準備
宇宙飛行士選抜試験に応募する際に準備をした結果、大きく次の3つの点で良い影響があった。
- 人生の再考
- 健康体・体力向上
- 一般教養の充実
まず、「なぜ宇宙飛行士になりたいのか?」を考えるために人生を振り返り、人生を再考するきっかけとなった。コロナ下でやる気がなくなっている私にとってはこれは良い経験となった。
次に、宇宙飛行士は健康体で体力がないといけない。ジムには通い無酸素運動で筋トレをしていたが、本格的に有酸素運動を始めるきっかけとなった。結果としてコロナ下でやる気がなくたるんでいた体系も一気に引き締まった。
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最後に、筆記試験の対策の結果一般教養全般に詳しくなり、宇宙関係にも興味を持って学ぶことが出来た。
詳しくは別の記事を参考いただきたい。
「宇宙飛行士に、転職だ!」JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験に挑戦!【1】
「明確な目標のある日々は、とても楽しい」JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験【2】
「宇宙飛行士選抜試験を通して得たもの、失ったもの」JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験【3】
宇宙飛行士選抜試験受験のその後の影響
さてそんな受験の
- 人生の再考
- 健康体・体力向上
- 一般教養の充実
の、その後の影響を紹介したい。
1. 人生の再考
宇宙飛行士の選抜試験に応募した際に、「宇宙飛行士は、文字通り命を懸けて人類の発展に貢献しようとしているのに、私は何をやっているのだろう?」端的に言うとそう思うようになった。
応募時点での職業はコンサルであった。コンサルも社会的には重要な任務を担っていると思うが、業種の特徴として、究極的にはサポートである。
「人生掛けてこの手で世の中で貢献したい!サポートではなく、自分でこの手で行いたい!」と再度思い返すようになった。
結果として、コンサルが嫌になってきた。
とあるコンサルの憂鬱 高級文房具?派遣?バリュー?辛い?辞めたい?意味ない?
思い切って未経験分野の転職(異動)に挑戦したところ、運良く採用された。なんとなく人生の主体性を取り戻した。これも宇宙飛行士に応募していなかったら考えもしなかっただろう。
未経験分野の外資IT研究職への転職体験と採用基準まとめ!ポストコンサルキャリア
2. 健康体・体力向上
その後も継続してジムに通っており、筋力も体力も向上した。場合によっては「ダビデ像みたいな身体になってきた」とか言われたりもする。
この都度、ビーチコーフボールというドリブルの無い男女混合で行う3×3のバスケットボールのビーチ版のような相当に激しいスポーツの日本代表メンバーになった。
2023年5月にタイ・パタヤビーチで開催されるBeach Korfball World Cup (Asia)に向け、第1回練習会兼選考会に引き続き、2023年度第2回日本代表チーム練習会を開催しました。
練習会はVICUSコーフボール杉並、湘南横浜コーフボールクラブの皆様にサポート頂きました。https://t.co/q25gUXt26s
— 日本コーフボール協会 (@Japan_Korfball) April 4, 2023
タイのリゾート「パタヤビーチ」でビーチコーフボール(ドリブルがない男女混合のバスケ3×3のフルコート版を砂浜でやるようなハードスポーツ)やってきます!
ついでにゾウさんに乗ったり、トラさんに餌やったりもしてきます。 https://t.co/IP7Py3Jsrp
— はじめ (@Hajime77com) April 3, 2023
選抜前のやる気のない状態であったら、こんなハードなスポーツにトライしようとは思わなかっただろう。身体的な主体性も取り戻せた。
3. 一般教養の充実
前々から興味があったら調べてしまう傾向から、一般教養も一般と比べると深い方であったかもしれない。
しかしながら、選抜を通して、特に日本史世界史・経済学・政治経済辺りを真剣に見直したのは良い経験となった。
美術館や博物館に行った際には「あ、あの壁画やん!」とより解像度良く、見ることが出来るようになった。日々の生活の主体性も上がったかもしれない
予想される今後の宇宙飛行士選抜試験の副次的な効果
直近での受験による直接的な効果は上記のであった。それ以外にも考えられる副次的な効果を紹介する。
宇宙飛行士選抜毎に自分事として見るようになる
今後も数年に一度は宇宙飛行士選抜試験が行われる様子である。その際に「あ、応募したやつだ!」と自分事として見ることが出来るようになる。(もちろんまた出すかもしれないが。)
あれである、甲子園に出場した選手は、毎年のように「俺も数年前出てたんだよなぁ、砂持って帰ったなぁ」と、思い出に浸ることが出来るアレである。
実際に未だに「高校生クイズ」とかも毎年チラッと見てしまう。○×クイズえぐかったよね。と。
ここに「宇宙飛行士選抜」が加わることとなった。
今後の宇宙開発に・・・?
もしかしたら今後研究もコンサルもビジネスも宇宙進出していく可能性がある。この際には、「あ、あの選抜の時に調べたな」みたいな見方が出来るようになるかもしれない。宇宙もちょっとはかじるきっかけとなった。スペースXが何をやっているのかなども資料を見れば大方予想が付くようになった。
宇宙飛行士候補者決定の時
なお、宇宙飛行士が決定される頃には、私は選抜試験から半年以上たっていたので「懐かしい前の話」のような感じ方をしていた。
ただ、Twitterで流れてくる経歴やインタビューを見た際には「こんな超人いらっしゃるんだな・・・」と思った。
宇宙飛行士候補者略歴
氏 名: 諏訪 理 (すわ まこと)
年 齢: 46歳(1977年生まれ)
現 職: 世界銀行 上級防災専門官
出生地: 東京都
経 歴:2007年 6月プリンストン大学大学院地球科学研究科修了
2008年 1月青年海外協力隊にてルワンダ国派遣
2010年 11月国際連合・世界気象機関(WMO) 入社
2014年 3月世界銀行 入行
現在に至る氏 名: 米田 あゆ (よねだ あゆ)
年 齢: 28歳(1995年生まれ)
現 職: 日本赤十字社医療センター 外科 医師
出生地: 東京都
経 歴:2019年 3月東京大学医学部医学科 卒業
2019年 4月東京大学医学部附属病院 入職
2021年 4月日本赤十字社医療センター 入職
2022年 10月虎の門病院 派遣
現在に至る
https://twitter.com/nhk_space/status/1640232193350828033
人と比べずに、私は、目の前のことに着々と取り組んでいくこととしたい、と改めて思うようになった。
終わりに
色々と学ぶ機会となった宇宙飛行士選抜試験。ひょんなことから応募してみることとしたが、その結果人生がいい方向に好転した。
そしてそんな機会は日常生活にはなかなかない。さらに応募自体は無料である。
応募してよかったと思える就職試験であった。
「宇宙飛行士に、転職だ!」JAXA宇宙飛行士候補者選抜試験に挑戦!【1】