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公開日:2019年7月20日
更新日:2020年6月3日
日本の夏の風物詩といえば、お寺(や神社)の周辺で行われる花火や縁日。普段は閑散とした空き地のような地元の寺も、この日ばかりは鮮やかな浴衣や甚平の人だかり。そんな中でも日本のこの時期にしか行われないもの、それが盆踊り。
盆踊りは、老若男女特にお子さんとお年寄りが動きについていけるような、のらりくらり・ゆっくりとした動きで知られている。しかし、本当にそれだけだろうか?
曹洞宗大本山總持寺 納涼盆踊り花火大会
神奈川県横浜市鶴見区。どちらかというと荒れている地区として知られている。鶴見区に位置する總持寺。毎年曜日によらず7月17日-19日にかけて行われ、今年で72回目の様子。
なんだ。普通のいわゆる地元のお祭りじゃないか。
ポスター
盆踊り大会のポスターはどんな感じだろうか?Googleで検索してみたら、こんな感じであった。
(Google)
典型的な盆踊りのポスターは、パワーポイントで作ったような色遣い、主にイラストや昨年までの大会の様子が張られたようなポスターである。
一方、総持寺の盆踊り大会のポスター・バナーがこちら。
何だこれは。キャッチフレーズは「灯せ、心の炎。」
マイクパフォーマンスをしながら、団扇を掲げる坊さんたち。さらに様々な方向を向き多様なポーズをとる。左側は手をあげながらステージの方を向く。納涼盆踊り・花火大会と書かれていなければ盆踊り大会とは認識できないのではないか?
この多様なポーズを構図、どこかで見たような気がする。
おそらくこちらであろう。
サッカー日本代表。チームスポーツのアスリートの構図。盆踊りはスポーツで坊さんはアスリートである。
盆踊り・花火大会
30分以上遅延している山手線のプラットフォームもびっくりな総持寺の縁日の参道を抜けていくと、爆音スピーカーで音楽が聞こえてくる。
ゆず・夏色
どんなときも・槇原敬之
ん?フォーク・ポップソング?そのまま盆踊り会場の総持寺駐車場にたどり着くと、坊さんがやぐらでコンサートをしている。いや盆踊りの新たな形。しかもハモっていて結構うまい。
アンコール
明日があるさ・ウルフルズカバー版
MC。アンコール。盆踊りでのアンコール。坊さんが肩組んでノリノリ。盆踊りで「セットリスト」。フルネームで紹介される盆踊りの歌い手たち。
花火もあがる。が、その花火すらも前座である。私は日本の夏の風物詩的なイベントにおいて、花火がクライマックスにならない行事は他に知らない。
盆踊り
盆踊りが始まった。盆踊りって、こういう感じのイメージ。線が書いてあって回りながらのらりくらりとやぐらの周りをまわる。盆踊りで検索するとこういう感じ。
これが世間一般のイメージする盆踊り。
総持寺の盆踊りは、シャボンが玉飛ぶ。スモークも出る。でもステージはやぐらとちょうちん。やぐらの上では和太鼓をたたいている。しかし繰り返すが、これは納涼盆踊り大会である。コールアンドレスポンス。浴衣なのに、飛ぶ跳ねる。人が多すぎてそんなに動けない。
「セットリスト」
一休さん
ひょっこりひょうたん島
その他
これ以上は言葉では説明できないので、こちらをご覧ください。
他の角度で他の方の他の年の動画も。
夏フェスと比べてみよう。もはや同じじゃないか。
https://www.youtube.com/watch?v=5yKMdSdhrXo
実はこの辺りの公立中学出身のため、15年以上前には毎年のように参加していて、その当時から一休さんばっかり踊るのは分かっていた。最近では、かなり拍車がかかっているようである。個人的に盆踊りは一休さんだと思っていたが、「盆踊り 一休さん」で検索すると「総持寺」と予測変換が出る。
この盆踊りがやりたくて総持寺で修行している方、いらっしゃるかもしれない。
入場料?
こんなに大盛り上がりのお祭り。入場料はいくらだろう?参考までに夏フェスのチケットは大体一日で10000円を超えてきている。
一方このお祭りは、あくまで地元の地域の夏祭りである。入場料無料である。こんだけ盛り上がっても無料。
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珍しいので他にも記事にしている方々が多数。
https://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=354
http://tababooks.com/tbinfo/bondance6
https://hidetomo-blog.com/so-jiji-bonodori/
なんでも差別化が重要という話
どんなコンテンツでも、独自路線と差別化で何とでもなる格好の例だろう。
夏は毎年用事があり、気付いたら8年ぶりにこの時期に日本にいて、日本の祭りを通りすがるというのでもおそらく6年ぶりくらいである。
縁日屋台も、くじ引きが激減していたり、ヨーヨー釣りは見かけなかった。食べ物も焼きそば、たこ焼きとじゃがバターだけでなく、ドネルケバブやアユの塩焼きまで。屋台でも差別化が進んでいるようだ。長い視点で見れば、フォーマットは屋台とのれんの形式ではあるが、コンテンツは入れ替わりが激しい様子である。
盆踊りに至っては、「盆踊り?興味ないけど、総持寺のやつなら行きたい。」そんな人ももう結構多いのではないか。総持寺の年々激しくなっていると聞く。来年はどのように発展していくのだろうか。元地元民として今後のさらなる発展が楽しみである。
同時にローカルなお祭りの感想はこちら。