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公開日:2017年5月30日
更新日:2019年7月21日
こんにちは。篠原肇(@HajimeShinohara)です。個人的には雑記ブログなのですが、留学ブログと認知されることが多いです。その割には留学一般に関する記事はほぼないので、今回はまとめも兼ねて留学一般について書くことにしました。
留学についての意義や価値について考える
そもそも留学とは?
さて、そもそも「留学」とは何でしょうか?辞書にはこうあります。
goo辞書[名](スル)他の土地、特に外国に在留して学ぶこと。「イギリスへ留学する」「内地留学」
よって、ビザなども何も考えなければ、何もハードルは高くないことがわかります。
確かに経験がないと「ギョッ」としますが、海外生活というのは何ということはありません。ただそれでも最初のハードルは高いでしょうから、語学留学などに一か月ほど行ってみるというのはいいでしょう。(かくいう私も3週間ほどオーストラリアに滞在しました。)
では意義は?
では、留学の意義は何なのでしょうか?いろいろ思いつくところはあります。
が、一点に絞ると、留学一般についての意義は、「自分の常識が他人の常識ではない」ことが実体験としてわかることでしょうか?
もう少しいうと、「アウェイ(どこで)でも成果を出せるようになる」というのもありそうです。
最初はあまり相手にされませんし、飲み会ではすぐに話題を見失い、高速のテニスの試合を傍観しているような状況になります。
世界の各地域で、人数が多い中国人のソサエティが充実しているのも、このように相手にされなく嫌になっていたところ、発達している中国人のソサエティに行きさえすれば何も困ることがないのでしょうから、わざわざ辛い思いをして国際環境でもまれる必要もないのでしょう。おそらくこうやって逃げていった結果、各国のソサエティが発展したものと予想しています。
費用は?
留学にはお金がかかるんでしょ?というのはよくある質問です。もちろん生活しているだけでお金はかかるので、留学してもしなくても、どこでも生きていくだけでお金はかかります。
おそらく日本で「留学」というと語学留学を指すでしょう。これはよく言われていることではありますが、旅行に語学学校がついたものになります。お金も結構かかります。特に語学学校費とエージェント費が高い印象です。しかしながら最初いきなり英語で交渉するのも怖いでしょうから、一度くらいは使ってみるのも悪くはないかと思います。
次に大学が主催するような交換留学などでは返済不要の奨学金が多くあります。単位もとれるものも結構あります。「トビタテジャパン」などもそのうちのひとつでしょう。
学位留学、特に博士課程(PhD)であれば、奨学金の他にも進学先の大学に研究員として雇われて、学費と生活費をカバーというのもあります。私もこれに当てはまります。
この他にも、特に数が多いMBAなどの社費留学であれば、給料をもらいながら進学もできます。
これは、学校に在籍するという意味では「留学」ではないかもしれませんが、グローバル企業の他の地域に出向になれば、その地域で「留学」することになります。おそらく一般的には駐在と呼びますね。
奨学金のコツについてはこちらを参照ください。
【民間/大学】海外留学奨学金(給付・返済不要)の出願のコツ【志望/理由】
ケンブリッジ大学ノーベル賞輩出数最多研究所の特待生制度に採用されるには?
語学能力は向上するか?
よくある理由が、語学ができるようになるか、できないままかという話です。
語学は使えば使うだけ向上するため、日本にいる時と比べると他国では必然的に機会が増えるので、向上するかと思います。よって、程度は別としても語学能力は向上します。
留学は意味ある・意味ないについて
人生は一回きりで、実験のように同じ条件で再試行することはできません。よって、意味がある意味がないということに客観的に証明することは非常に難しくなります。
これは「学歴なんて関係ない」の意見にも近いところが感じられます。
職業/仕事/企業に「学歴なんて関係ないよ」は嘘?論理的考察【資格/就活】
ただ、私自身、「留学しておけばよかったな」、という話はよく聞く気がしますが、「留学しなければよかった」という話は、あまり聞きません。
最もこれも「留学しなければよかった」という後悔の話はなかなか出回らない、などの事実もあるかと思います。
グローバル人材?
さて、グローバル人材には留学が必要か?という話になりますが、そもそも「グローバル人材」というのは何でしょうか?本来の「グローバル」の意味である「分け隔てなく」を考えると、グローバル人材とは、理想的には、
地域も分野も超えて、何をやっても歴史的に見ても世界トップレベルで成果を出せ、活躍できる人
といった感じでしょう。
ただグローバル人材をこう定義すると、「グローバル人材」と言えるのは、歴史的に見ても、ゲーテやレオナルド・ダ・ヴィンチなどだけになってしまいそうです。
それでは少しハードルを下げましょう。よって上記を踏まえるとこんなのはいかがでしょうか?
3分野以上で(出来れば世界レベル)で結果を出せる人
これなら該当する人もいるのではないでしょうか?詳細はこちらを参照ください。
私自身、このよく言われている「グローバル人材」には違和感を感じています。仮に専門性が高く、英語ができたとしてもそれは「語学の出来る専門家」であり、グローバル感がないためです。
追記とりあえず「ハイパーグローバル人材」と名付けておきます。
個人的な考え
さてこのままでは月並みの「留学」に関する見解と変わらないので、少し付け加えておきます。ただ、少し要求が日本で一般的に言われているものよりも、少々高め・辛めになります。ややポジショントーク感も否めませんが、考えをまとめておきます。予めご了承ください。
そもそもこの記事をまとめようと思ったきっかけは、世界でもトップレベルのケンブリッジ大学で、大半がネイティブの中私が、英語で発表してベストプレゼン賞を取ってしまったり、スポーツでも、こちらも大半がイギリス人の中、お互いの投票で日本人の私が、年間最優秀選手賞(Players’ Player of the Year)を受賞してしまったり、他にもアントレプレナー、ウェブデザイナー、フォトグラファーや小説などで表彰されたりと、ある程度、いろいろな分野で国や言語に関係なく多少は実績を出せるようになってきたと実感したためです。
他にも個人的に打診を受け様々な役員に推薦されたり、国際大会への打診を受けたりなどいろいろあります。
ただ客観的に見て、このように、ネイティブに対して英語のハンデも覆すほどに圧倒するのは、少々大変です。個人的にも、全く易しくはありませんでした。特に新しい人と何かをやる際には未だに苦労します。
英語では、ベストプレゼン賞受賞の際のスピーチでも「入学当時は英語は全くと言っていいほど出来なかった」と述べています。
Graduate Conference分野横断型の学会での発表ケンブリッジ大学/大学院
勿論それでも入学基準を考えるとTOEFL iBT 100レベルはありました。おそらくTOEICを受けていたら満点レベルが取れていたことかと思います。
ここで、おそらくTOEFL iBT 100レベルで英語力を上げるために語学留学をすることはなかなかないでしょうから、短期の語学留学のレベルではあまり使い物にならないことがわかります。もちろんとっかかりとして最初に1回パスポートを取って初めて海外に行くという意味では短期留学も有効になりうると考えています。
日本の得点分布を考えると、TOEFL iBT 100時点で、外資系も含めて語学力ではトップクラスではないでしょうか?それでも勝負になりません。
スポーツでも、タイムアウトの時に英語でスラング交じりで「ばぁぁぁぁぁーーーっ」っと早口で言われたりもします。
これは慣れないと意味不明です。結構慣れても一部意味不明です。それでも主戦力として数えられるくらいに強ければ、個別に説明してくれたりなどの配慮があります。
そんなに戦力でもないと、わざわざ使う理由が見いだせずに戦力外にされて終わりでしょう。幸い、何個もスポーツ賞を受賞出来るくらいは、使える選手であったことが幸いしたように思います。
また、仮に私がちょっとでもうまくいって高慢な態度をとっていたら、相手にされなくなっていることは容易に想像がつきます。
よって人格的な部分も向上が求められます。(そもそも私はこの部分の回路がないのか、あまり偉そうな態度を取りたいとは思いません。むしろ恥ずかしく感じます。)
よってこの考えによると、高みを目指していくと、英語なんて出来て当たり前、専門性もひとつくらいはあって当たり前、アウェイで結果も出せて当たり前になります。また出来れば周囲や協力者から人格者として認められ慕われる必要があります。
その上で、イノベーションを生み出しやすくなっていくためには、いくつかの分野でトップレベルになる必要があります。世の中にはこういう人材が山ほどいます。
同時に、これらは必然の部分もあります。正確に議論して日本以外で認められるには、少なくとも英語はできないと勝負になりません。
ひとつの専門性がもあっても、何かを追及していたら、既存の分野だけで収まるとは限りません、必要に迫られて、他の分野にも詳しくなったりは割とあることでしょう。
日本にはトップレベルのところがないことも多々あります。そうなると、突き詰めていくと日本以外での「戦い」を強いられることになるので、必然的にアウェイになります。
社会が人と人のかかわりである以上、わざわざ「いけ好かなく、性格が曲がっているやつ」と何度も一緒に働きたいと思う人はなかなかいないでしょう。そうなると、人格もいい方が長期的に見てプラスになります。
こちらの本が参考になります。「情けは人の為ならず」の実証書です。
Adam Grant, Give and Take
対策
さて、これをやるにはどうしたらいいか?を考えた結果はこちらです。
以前書いた、古典や倫理観を備えつつ、論理的に考える能力ではないかというのが最近の結論です。
おすすめ教養以上の古典の読書の意味と効果/古文/漢文/哲学/啓蒙
私は物理学科ですが、特に哲学や倫理が重要になると考えるようになってから、より成果が上がりやすくなったような印象があります。
よく考えると、この二つの記事は「留学」は関係ありません。そういう意味では「留学」は関係ない、という意見にも一理あることになります。ただ、個人的には、日本にいた際には絶対に出会わないような人々や文化に触れたというのは損得抜きに非常に楽しく有意義なものであると感じているのは事実です。
終わりに
上記のように、いろいろな角度から、留学についてまとめました。私もまだまだですが、今後も頑張りたいと思います。留学一般に関しての参考になれば幸いです。