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公開日:2019年4月22日
更新日:2019年7月15日
ベンチャースポーツの記事をハフポストに投稿してから3年、日本ベンチャースポーツ連盟を創設してから1年、法人化して半年、いろいろとみる機会が増えてきた。
ベンチャースポーツは、「ベンチャー」なのだから、もう少し突飛なやり方をしてもいいのではないか?という話である。私は競技の協会の理事ではないので、口は出せないのでこちらに個人的に方法などを書いておくことにする。
なおここでのベンチャースポーツは、認知が低い・リソースがないもの全般を指す。
そもそも、競技協会の固有価値は?
大体の場合一般社団法人または公益社団法人である競技協会。協会の固有価値とは何だろうか?
前提として、スポーツには著作権はとれない。商標権もなかなかに難しい様子。一応道具にはとることが出来る。
日本選手権?実はこれも近い。しかしただの1社団法人が主催する大会で日本一を決定する雰囲気なだけで、特別な権限は実はない。協会が主催する大会の放映権を販売することはできるが、これは別に競技団体である必要はないはずである。脇に営利団体がついているほうが構造として必然である側面もある。企業のCSRの対象として使える、という見方もできるだろうが、それは何も競技団体でなくてもいいはずである。
いろいろ調べた結果、おそらく競技協会に固有の権限は、
「該当競技の国際連盟に加盟している場合に限り、日本代表を公式に派遣する権限を有する」
ただ、これだけである。これに基づいて戦略を考えたい。
日本代表枠をうまく使う
ご存知のように、どんなに知られていない競技でも、ちょっとは価値がありそうである。価値があるというのは、お金をはじめとする何らかの資産を出してでも、なりたいものである側面があるということになる。これをうまく使えないだろうか?
スポーツ(の特に日本代表)はアマゾンのアドオンアイテムのようなもの
私は、「スポーツの日本代表はアマゾンのアドオンアイテムのようなもの」だと考えている。
その心は「単体では買えない。」である。単体ではあまり価値がない。
現状を考えるとそうだろう。年収が市場価値という見方をすれば、ごく一部の競技の世界や日本を代表するクラスの選手のみである。
ということは、付加価値がある人がスポーツをやればいいだけではないだろうか?特に協会が意思決定できるもので、かつ、協会固有のものは、日本代表の派遣といっても過言ではないことから、日本代表枠の有効利用について考える。
日本代表枠のオークション形式での「販売」
特にチームスポーツであれば、日本代表の枠に結構な人数がある。これを「売れ」ばいいんじゃないだろうか。直接売るというと角が立つだろうから、選考基準に「協会・業界への貢献」などの文言を入れておけば問題ない。
ある程度運動神経がよく、資産を多く持つ人には、「なれるなら1億円くらい出して日本代表になりたい」という人はおそらくいることだろう。
よって、日本代表の選考に「寄付可能額」を書いてもらい、その額が高かった選手を「寄付枠」として代表に選出する。
これがうまく行けば、渡航費が出せなくて、試合に出れない、というようなことはなくなる。
履歴書・職務経歴書を日本代表選考に含める
「日本代表になったような人が、その後の運営にかかわっていくことが多い」という話はいろんなところで聞く。しかしながら、競技一筋の人は、競技引退後に何もできないことが多く、運営側として役に立つことは少ないようである。競技だけでなく、運営もできる人は一握りのようである。
では、元から、日本代表に選考する際に、競技の実力だけでなく、いわゆる本業の学歴・職歴などの履歴書・職務経歴書を提出させればいいのではないだろうか?それで、競技の実力が近い場合には、仕事もできそうな人を代表に選考すれば、長い目で見て、仕事が出来る人が多くなるだろう。
もちろん「学歴・職歴で仕事が出来るかなんてわからない」という意見はわかる。しかしながら、「学歴フィルター」が世界や日本の就職活動でも機能していることを考えると、高い相関はあって効果的なんじゃないだろうか?
アイドル枠などを設ける
もちろん競技として面白い部分はあるというのは私も思うところではあるが、知られていない競技は、あまり魅力がないといっても過言ではない。
そこで、日本代表になれる!よりも「(あるアイドル)と一緒に日本代表としてコートに立てる」方が魅力が上がらないだろうか?なら、メディア枠として、運動神経の良いアイドルに枠を設置すれば価値をあげることが出来るだろう。
有効活用・付加価値の向上
競技だけで評価しろというのは、私も競技者であるので、気持ちはわかる。しかしながら、そんなことを言っていられないのが、こういう知られていない業界である。
運営団体から見れば、
「貧乏で、カリスマ性・知名度も全くなく、学歴職歴ガタガタ。ほかに使えるスキルもほぼなく、競技だけは強い。」という人は、長期的に見れば携わるにあたっての付加価値がほぼないだろう。強化も必要な一方で、そういう選手ばかりを日本代表にするのは、見方によっては「日本代表枠の無駄遣い」とさえ取れる。ただでさえ、人的・金銭的含めすべてのリソースが少ない中で、なんとしてもどんな無駄遣いも避けたいところである。
世の中やっぱり人と金か!みたいに思う人もいるだろう。
しかし、世界のスポーツにおいても、金で人を引き抜いたりは日常茶飯事である。
直接的でなくても、間接的に驚愕の額でよいコーチを引き抜いたり、最新設備と最新科学で一部の選手たちに集中投資し、トレーニングを積むというのは世界中で行われている。ただ、直接的ではないために見えにくいだけである。
こういう考えは、もっと応用していってもいいのではないだろうか?
お分かりだろうが、こういう方法は、他分野でも頻繁に行われている。一部業界ではこういうやり方が好きどころかメインのようにも感じる。これをスポーツエリアにも応用するというだけの話である
個人的に考えるベンチャースポーツにおける個人的な役割
個人的な役割は、分野自体を舐められないようにするため、と考えていた。
一般的にスポーツのエリアは、知能が低いと思われがちな傾向がある。
その中で、聞いたことがないスポーツを「ベンチャースポーツ」などといっていたとしても、仮に一般的な指標が、よろしくないと、「またまたー、馬鹿で仕事もできない残念な人が、だれもやっていない変なスポーツをよりどころにしている」と判断されてしまうのが、残念ながら関の山である。
しかしながら、仮にいわゆる高学歴・高職歴・高実績な経歴の人がやっていれば、どうだろう。「え、この人いろいろできるのに、あえてこのスポーツをやっているらしい。もしかしたら可能性が高いかも?」と判断する人は多いだろう。特に日本人の思考回路ならなおさらである。
この作戦は、少なくともこれにより大手メディアからの寄稿依頼や、テレビ・その他からの話も来た。さらにスポーツ庁に参与している方から打診をいただき、共に組織の法人化をし、代表理事に就任するに至った。これには、少なくとも経歴が関係している旨は耳に挟む。
少なくとも、「ベンチャースポーツ」自体が浸透した理由の一つではないか?と客観的に予想している。