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公開日:2016年12月16日
更新日:2020年12月25日
こんにちは。篠原肇(@HajimeShinohara)です。
ハフィントンポストへ連載以降、スポーツの欄では注目ブログが私の記事が多くなっています。
このまま一気に投下すると継続性の意味であまりよくないので、私のブログに書き、ペースを考えて、記事の一部をハフィントンポストに転載することにします。
前回の記事では、日本代表になるには?という記事を書きました。さて、今回は日本代表になりたい競技があった場合や、現在取り組んでいる場合に、どうやったら効率的に強くなれるかを考えます。
この答えは明確で、「朱に交われば赤くなる」というように、自分よりも高いレベルの人たちと常に練習していたら、自然とうまくなるでしょう。そのためにはその競技のレベルの高い強豪国に滞在し、ハイレベルな環境に身を置くのが最も手っ取り早く効率的な方法でしょう。よい指導者も一定の国に集中しているはずです。そのような環境では競技以外のものでも得るものが多くあります。
では今回の内容は、「どのようにして目的の国や地域に滞在するのか?」です。
「マイナースポーツ」の場合
この記事では「マイナースポーツ」と「ベンチャースポーツ」をあえて使い分けます。これが今までの「マイナースポーツ」であった場合、テンプレートのようによく見かけた一例はこちらです。
「『国際大会や武者修行に行くために、まとまった休みが必要なため、正社員を続けるのは難しい。このため派遣社員をかけもって食いつないでいる。夢を実現するために支援をお願いします。』とクラウドファンディングを行う。」
こちらの記事でも少し触れましたが、一部のメジャースポーツの一握り以外ではスポーツで食べていくのは厳しいのは明白です。メジャースポーツやオリンピック競技でもそこまで厳しいのであるから、無名な競技ではなおさらでしょう。
確かにひとつのものを一心不乱追い求めることは、美しい。スポーツ特に当事者は熱くなり目標を達成するために必死になるのはわかります。しかしながら一部競技のトッププロや、実業団選手を除いてその競技だけで生活するのは難しいのは避けられない事実でしょう。しかし現代社会でそれを行うのは、一種、現実逃避とも取られても仕方ないでしょう。
このやり方で無名競技単体での遠征に実際にファンディングが成功している非常に少ないという事実があります。これは、残念ながら「無名競技単体では、日本代表でもそんなに価値がない」ことを暗に示していることになります。
おそらくこのやり方ですと「マイナースポーツ」を抜け出すことは、いつまでたっても難しいでしょう。確かに時間の自由を得るために、派遣社員を選択するという方法は一つの方法です。しかしながら、ほかにも方法がいろいろあります。
ベンチャースポーツの場合
私は「マイナースポーツ」ではなく「ベンチャースポーツ」と呼びたいという内容を書きました。
「ベンチャースポーツ」は「時代の最先端を行くイノベーター」のイメージを持ってもらいたいと述べました。では、ベンチャースポーツでは、どうしていきたいかを書いていきます。こうなれば、気持ちはどうであれ、その競技の海外修行は「『ついで』にやる」というとらえ方はどうでしょうか。会社を辞める以外にも一般的に海外に滞在する方法はいろいろあります。年代や状況別に見てみましょう。
もし学生の場合、交換留学や短期留学、滞在の方法はいろいろあります。直接進学するのもありでしょう。特に国によっては、日本の大学に進学するよりも安くつく場合もあります。例えば「北欧で盛んな競技をやりに、北欧の大学に進学する」。この場合、語学力もつきますし、付加価値は大きいでしょう。
正規の進学以外にも大学生であれば、交換留学などは盛んにおこなわれています。こういった制度を使わない手はないでしょう。「就職に有利」と思って競技をやっている人にとってはなおさらなのではないでしょうか?
仕事で海外に滞在する方法もいろいろあります。例えば、会社員として駐在があげられます。会社の駐在員であれば、海外に比較的まとまった期間滞在できますし、収入も安定しています。さらにキャリアアップにもつながるでしょう。この状態でなら、目的の競技の武者修行も「ついで」にできます。
ただ、駐在員の難点は、企業によっては進出国が多岐にわたり、希望の国に行けない可能性も出てくるところでしょう。では、実務経験を積んだ後に、目的の国の大学院に進学するのはどうでしょう?社費留学であれば、費用も節約でき、キャリアアップにもなり、目的の競技の海外修行もできます。
例えばイギリスでは、日本ではなじみのない競技が盛んです。世界最古の大学対抗戦であるオックスフォード大学とケンブリッジ大学のバーシティマッチの3大大会は、ボート・ラグビー・クリケットです。よって上記の考えでは、例えば、
最近では日本でも、徐々に注目されるようになってきていますが、文武両道の考え方はこういう時に実践的に役に立つのでしょう。
ほかにも海外に行くという意味では、例えば、会社を経営し、現地支社を作るなどの方法などもあるでしょう。ほかにもフリーランスなど、例を挙げればきりがありません。
さらに、無名スポーツにおけるクラウドファンディングの成功事例は、「アイドルで日本代表」など、ほかのものと組み合わせた場合が成功率が高い印象です。(プラットフォームサイトが多岐にわたるため正確な数字は不明です)。上記のような他の特筆事項とやり方は、競技自体の知名度を上げることにも貢献するでしょう。
マインドセットの必要性
こういった方法を上げると、必ずと言っていいほど、「前例がない」や「二兎追うものは一兎も得ず」という反論が発生します。確かに一理りますが、一方で、「一挙両得」などの格言もあるので、気持ち次第の面が大きいです。
前例がないなら、あなたが史上初として開拓すればいいだけの話です。「ベンチャースポーツは、時代の最先端を行くイノベーターのスポーツ」という考えに納得していただけるのであれば、自分たちでどうにか開拓していく必要があることにも、納得いただけるのではないでしょうか。
人材開発では、専門がわかるだけのI型人間よりも、幅広い知識を有し、専門のあるT型人間になることが重要であり。最近では、二つ専門のあるπ型人間が重要だといわれています。
この点から言っても、上記のようなやり方で海外経験を積むのは理にかなっているでしょう。個人的な感覚では、「二兎追うものは一兎も得ず」というよりは、むしろ「二兎追うものは三兎目がついてくる」ようになります。
歴史上の代表的な革命に数えられることも多い「フランス革命」では、一般市民が起こしたこの革命の背景には、啓蒙思想家による意識改革があります。言い換えれば、市民が意識を変えた結果、歴史的な革命が起きたといっても過言ではないでしょう。
長期的な戦略が必要になりますが、まずは「自分たちにもできる」と思う必要があります。所説とさまざまなバリエーションがあるといわれる「心が変われば、行動が変わる、巡り巡って人生が変わる」ように、「自分たちでやっていくことができる」と考えはじめることが肝心です。マイナーという言葉を使わないだけでも、多少は効果があると思いますが、本質的に重要なのは、意識改革のほうです。
白馬の王子様は現れず、救世主も訪れません。仮に訪れるとしても、あなたの人生・特に競技人生中に訪れる可能性は、限りなく低いでしょう。よって、自分たちでどうにかする必然性があります。
まとめ
さて長くなりましたが、まとめると、効率よく強くなるためには、
- 強豪国に行って、強い人たちと練習するのがよい
- キャリアの「ついで」に練習するのがよい
- 前例がなくても自らが史上初となる気概で取り組む
のが効果的であるといえます。