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公開日:2018年2月23日
更新日:2019年7月15日
「天はスポーツの上にスポーツを作らずといへり」や「驕れるスポーツも久しからず、盛者必衰の理をあらはす」とは古来から言われていますが、最近では「スポーツ」自体を作り出す試みが進んでいます。(参考:学問のすゝめ、平家物語)
超人スポーツでは、ハッカソン形式でスポーツ開発をするイベントがあり、参加しましたので、ここに纏めておきたいと思います。
そもそもハッカソンとは?
そもそもハッカソンとは何でしょう?初参加の私も、ハッカソンについては何も知りませんでした。
ハッカソンは、Hacking+Marathonからきた造語で、マラソンのように長く続け、ひとつの作品を作りだすイベントです。
ハッカソン(英語: hackathon 、別名:hack day ,hackfest ,codefest )とはソフトウェア開発分野のプログラマやグラフィックデザイナー、ユーザインタフェース設計者、プロジェクトマネージャらが集中的に作業をするソフトウェア関連プロジェクトのイベントである。
転じて、時間を区切ってグループワークをし作品を作るイベントを「〇〇ハッカソン」と言うようになったようです。
スポーツハッカソン
グループでスポーツを作り出すイベントです。必ずしもコーディングに関係がなくてもよいようです。
スポーツには作る楽しさもある―未来のスポーツが山口に誕生する瞬間を見逃すな!新しいスポーツの形や作り方、楽しみ方を実践する合宿形式のワークショップです。「開発/改変(ディベロップ)」と「実践(プレイ)」を同時におこなう「デベロップレイ」を中心に据え、頭と身体をフル回転して、新しい「種目」「運動会」を作り上げていきます。
http://www.ycam.jp/events/2015/sports-hackathon/
超人スポーツハッカソン
超人スポーツのハッカソンです。ウェアラブルデバイスや、道具を使った「超人スポーツ」を作っていく傾向にあります。
ウルトラスーパーヒューマンスポーツハッカソン
今回のイベントは「ウルトラスーパーヒューマンスポーツハッカソン」、超人(Super Human)の前に、さらに「ウルトラ」が付き、すごい名前になっています。もはやマリオの技の名前。
シャルパンティエの玉入れ
アイデアだしのことを「アイデアソン」というのですが、既にこれは「ソン」を付けただけ感です。その際には、他の参加者の方も何人もいらっしゃったのですが、日程と予定の関係で、メンバーとしては事実上1人で取り掛かることとなりました。非常に限られた時間と予算の関係で、アイディアをプロトタイプ調にして作製しました。
出来たものが「シャルパンティエの玉入れ」という作品です。
ルールは、見た目は全く同じだが、重さが違うボールをいくつもゴールにシュートし、最終的な得点を競うというものです。
発泡スチロールの球体です。いくつかには重りが入っています。発泡ウレタンやセメダインを駆使して固定、接着。
さて、発泡スチロールのボールだと思って、ボールを持ち上げたところ、実際には結構重かった場合、どうなるでしょうか?「え?あれ?」と一瞬混乱しませんか?
その直感に反する奇妙さと戦いながらも玉入れをするスポーツです。その見た目や経験に対する錯覚のことを広く「シャルパンティエ=コゼレフの錯覚 Charpentier-Koseleff illusion」というために、この競技名は「シャルパンティエの玉入れ」となりました。
個人的には、私が現在直感には反することがよく起きる量子物理学を専攻していることから、直感に反する奇妙さをスポーツに取り入れられたらいいのでは?と思っていたという背景もあります。
今回のハッカソンにおいて、「シャルパンティエの玉入れ」優秀賞を受賞してしまいました。完全なビギナーズラックです。
スポーツ庁のFacebookページでも紹介されていました。
「シャルパンティエの玉入れ」は,”時間の進み方が違う世界”というアイディアから生まれたスポーツで,一見すると同じものに見えるのに,重さが違うボール(玉)を使用した玉入れです。(重さの感覚が見た目の大きさの影響を受ける=シャルパンティエ効果というのだそうです)。重いボールと軽いボールでは「時間の進み方が違う」ので,それを瞬時に判断する面白さ(難しさ)と,展開性・スポーツ性の高さが評価されました。
重いボールと軽いボールでは「時間の進み方が違う」というのは、ガリレオガリレイの有名な思考実験でもおなじみのように、物理学上は明らかに誤りです。しかしながら、現実には空気による粘性抵抗があり、今回の発砲スチロールのボールでは顕著にその差が表れたので、そのような説明としました。
スポーツの製作もスポーツになりうる
スポーツの定義は多岐にわたります。私は個人的にはスポーツは「一定のルール下において優劣を競い合う行為」だと思っていました。しかしながらこれは「競技スポーツ」という分類をされます。広義では、スポーツは遊び全般を指すこともあります。この意味では、「スポーツ自体を製作すること自体がスポーツ」となりうるのではないか?と改めて感じることとなりました。