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公開日:2019年10月25日
更新日:2019年10月26日
デンマークは首都コペンハーゲンに、レベルの数か月の出張になりコペンハーゲンへ降り立った。コペンハーゲン中央駅を東側に出ると目の前に、何やら壁の中に組み立て式の移動式遊園地にありそうな、アトラクションが見えた。なんだか今にも塀の外へ飛び出しそうであった。
入り口にはTIVOLI(発音はティボリ)と書かれている。しかし私が宿泊したホテルのうちのひとつもTIVOLIというものであったために、「地名か何かだろう。」と特に引っかかることもなかった。
コペンハーゲン中央駅前のバスターミナルから高いタワーが見えてしまう。
ホテルにもTIVOLIと書かれていたし、一帯がTIVOLI地区のようであった。
数週間後、友人から「ティボリーガーデンには行ったか?」と何度か尋ねられたが、「なんでこの人は私が泊まっていたホテルを知っているのだろうか?もしかしたら中に有名な公園があるんだろうか?」それとも週末にフラっと通りがかった近くにあった公園がそのティボリーガーデンなんじゃないか?実はこの遊園地こそが、チボリ公園(Tivoli Gardens)であることを知ることとなった。
Welcome To Tivoli
外側から見れば、こじんまりとした遊園地の雰囲気は、古くからある田舎の町の一角にあるそれであった。もはやイギリスの移動遊園地の方が派手に見えるほどであった。
私はこれが初めてのデンマークであるためもちろん来たことはない。しかし「なんか来たことがあるのではないか・・・?」と感じるものであった。
チボリ公園の内部は弊で囲われているのでわかりにくかったが、意外と広い。約8万平方メートルと東京ドーム2つ分である。さらに中には階段や坂もあり立体構造になって、いくつかのエリアに分かれている。
壁しかないと思っていたら、一旦中に入ると丹念に手入れされた庭園が広がるオックスフォードとかケンブリッジのカレッジのあの感じとほぼ同じであった。外から見たら、ただの壁の通りだが、中は丁寧に手入れがされた芝が広がっている。
最先端とレトロの組み合わせ
チボリ公園は、入場料がかかり、中には乗り物などアトラクションその他があり、1回につきカードが3枚いるというだいぶ原始的な計算をしている。チケットは1枚40Kr(約650円)。
ジェットコースターは1回2-3枚(1300-2000円)必要である。どんなにレトロな感じがしようとも値段はデンマーク価格である。乗り物の入り口でカードを手渡しする。その割にチケットは券売機でクレカで購入。なんと現金は使えない。レトロと最先端の組み合わせ。
乗り物
ジェットコースターにはVR(Oculous Goであった)を装着して乗る最先端のものがある一方で、ジェットコースター自体が木造でブレーキは摩擦で止まる形式の、これ以上にないレベルの原始的なものまで(でも値段は1300円)。
紹介動画はこちら。
こちら木製のジェットコースター。
発進後もキコキコ言っていて「これはどこか木が取れて、ジェットコースターごと崩れるんじゃないか?」という斜め上の恐怖を感じる乗り物である。
バス停からも見えた、ただ上って落ちるだけのこちら。シンプルだけど恐ろしい。
ところでジェットコースターといえば、身長制限ですが、TIVOLIの身長制限及びサインはこの警備員さんがご案内していらっしゃった。
これを見たときにピンときたが、名前が同じだけで、実際に直接的な関係はないと思っていたTIVOLIホテルとTIVOLI公園は明らかに同じ系列である。というのもこちらはホテルのフィットネスジムの案内板。
確かに言われてみれば、TIVOLIホテルは、カラフルな色遣いで、仮面があったりと、なんとなくサーカスっぽい雰囲気のホテルであった。TIVOLI HOTEL
移動式遊園地の常設
イギリスで見かけた移動式遊園地のようなアトラクションがいくつも並んでいる。ピノキオに出てくるようなやつである。ケンブリッジ大学・メイボールで見たような車のものまで。(参考)【メイボール/ケンブリッジ】夜の舞踏会?映画撮影?大学のイベントとは思えないイベントの実態
ゲームエリア
かと思ったらいきなりのゲームセンター。アーケードゲームやクレーンゲームが並んでいる。さらにゲームはゲームでも、こちらはもっと原始的な通り。
ボールを的に入れる。
アーチェリーで的に当てる。
ルーレットを回す。
積まれた空き缶にボールを当てて倒す。
さらに係の人が目視で数を数えている。センサ式では決してない。こちらのエリアはどうやら現金しか使えない。ポイントに応じて、おもちゃのコインを渡され、そのコインを景品交換所にもっていくと、変わったグッズをくれる。縁日さながらである。
実際に上の動物の口にボールを入れるものをやってみた。意外とボール投げるの難しいし、口に入っても奥の壁に当たって出てきてしまったのではだめという鬼畜ルールしかも結構浅井。この辺りも輪投げがすっぽり下の台を通らないといけないとか、倒れただけでは駄目の射的に通ずるものがある。
こちら残念賞のキーホルダー。
同じ遊園地内で、方やキャッシュレスとVR、方や現金支払いからの目視で評価ある。こんなところでも最先端と伝統が入り乱れる。
ショッピングモール
少し歩くと今度は、ショッピングモールのような状況。特に付け耳と、ぬいぐるみばかり売っているわけではなく、TIVOLIとは何の関係も無い通常の雑貨ショップまでもが内包されている。
心なしかこの人形が多かったが、決してTIVOLIのマスコットというわけではないようだ。デンマークでよく見かける。
様々な国の露店やフードコートもあれば、アルコールまで売っているし、予約制のミシュラン☆着きらしい高級レストランまである。Michelin-starred restaurant to open in Tivoli
池のある森林公園
通常のテーマパークの場合には、人口感満載の乱れることのない作られた自然が存在しているが、ここの自然は、むしろそこまで手が入っていない感じの森林が池が存在した。
右上に見えるビッグベンのような建物は、チボリ公園のアトラクション、ではなくコペンハーゲン市庁舎である。要するにパーク外であるが、言われるまでわからないくらいに溶け込んでいる。
なお、筆者が訪れた時期は、丁度ハロウィンシーズンであった。ハロウィンがカボチャを主体としたデコレーションになるのはチボリ公園も同様のようである。
このプロモ動画のように、いたるところにジャックオーランタンが飾ってあったり、(しかもただの電球ではなく、いきなり動く。)
500kgに及ぶ、収穫されたカボチャの大きさのコンテストが開催されていたり、
ブログの筆者がカボチャにされていたりしていた。
チボリ公園について
チボリ公園公園は世界で最も古い遊園地の一つ(Wikipediaによると世界で3番目に歴史がある。)である。元々は身分に依らずだれもが楽しめる遊園地として開園した様子である。
どうやら、なんとなく来たことがあるような気がするのは、上記のような様々なスタイルのアミューズメントパークの源流が、このチボリ公園であるからなのであろう。ラスベガスの最近のベラージオがある側のメインのストリートに対してダウンタウン側に行っている感じ。なんだか「世界中でブレイクしたおもちゃの大元となるプロトタイプ」を見た時や、「話題になった論文の元となるオリジナルの論文」や「大ブレイクした発明の大元の特許」を読んでいる気分である。どちらかというと遊園地に来た、というよりも博物館の展示物の中に入った気分に近い。
何回か書いたが某浦安のネズミの王国に似ている。それもそのはずである。チボリ公園はウォルト・ディズニーがディズニーワールドを開園する際に、世界中で唯一参考にしたテーマパークだそうだ。童話作家のアンデルセンも何度も訪れている様子である。
デンマーク旅行なら「チボリ公園」は外せない!料金や営業時間、見どころは?
歴史が長くなるとありがちであるが、それぞれの伝統と各時代の最先端、いろんなもののせめぎあいを感じる。今までの様々な歴史と物語の結果の混ざり合いが、現在の状態になっている。オックスブリッジの築500年越えのレンガ造りの建物の入り口がカードキー式でWi-fiが飛んでいるのと似たような状況であろう。歴史的にもグローバルな知名度を誇る国民的ローカル遊園地。地元民は、生まれてから死ぬまで、節目節目で「チボって」いたのであろう。
はっきり言って入場料もアトラクションも高いし、世界レベルのクオリティかといわれると、少々違和感があるのは否めない。しかしそれでも、世界中から人が訪れ「デンマーク行くなら必ず行くべき」といわれる理由もわかった気がする、行っておいて損はしないチボリ公園であった。
ご案内
本ブログをご覧になっている方から独断と偏見で、1名様にこちらのチボリ公園の警備員のマグネット
を差し上げようかとと思いましたが、こういうことを書いていたら、本当にお問い合わせから「欲しいです!いつもブログ読んでます!」っていう連絡が来て、「ありがたいけど、どうしようかな・・・?」と思ってしまうことがあったので、結局独断と偏見で誰にもさしあげずに、どこかに飾ることにします。チボリ公園に自ら訪れた際にお求め下さい。