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公開日:2016年9月17日
更新日:2017年7月15日
ベンチャースポーツ関係者は、スポーツの普及に熱心な人が多いです。これはスポーツ以外でもいわゆるマイナーな分野ではおそらく共通していることでしょう。
中には、純粋に自分が取り組んでいて面白いから多くの人に知ってほしいと思っている人も多いかと思います。または、既に自分が取り組んでいる競技が有名になれば、本人もその有名になったスポーツの重要人物としてとらえられる可能性なども高くなります。
しかしながら、「なんで普及したいんですか?」と聞くと、しどろもどろになってしまう場合が多々ありました。おそらく、私もそうだったのですが、なんとなくは考えがあると思うのですが、言葉にするのが難しいのだと思います。
私自身確かに「競技人口少ないなら増やさないと」という無条件に同意しそうな意見が、半ば常識になっていることを客観的に考えるようになりました。
本記事では、おそらく、普及をしたいと考えている人も、同じようなことを考えているのではないかと思い、普及をしたい理由を打算的に考えた内容を、表現することにします。
尚、私はコーフボールというベンチャースポーツの選手ではあるものの、スポーツや経済学の専門家でも何でもないので、細かい部分には学問的に考えた際には、数々の例外その他が出てくるかと思いますが、その点を踏まえて読んでいただければ幸いです。
スポーツにおける資産
資本主義の株式会社の株とは異なりますが、スポーツ・競技を資本主義的な考え方をすると、ある競技やスポーツを投資案件ととらえた際に、定量判断は難しいところですが、定性的には、スポーツにおいて、競技人口や知名度、イメージは資産ととらえることができる。
競技人口
何といっても競技人口はスポーツにおいて重要です。特殊な状況を除き、最重要といっても過言ではないでしょう。競技人口が多いと、幅が広がります。単純に競技に必要な道具や設備が売れるようになります。認知度も上がります。またプロの試合のような観戦対象としても利益が上がるようになります。要するに競技人口が多いと、注目されやすくなり、資金が集まりやすくなるなど、環境を整えるのが容易になります。
知名度
知名度があると、またこれはこれで、知名度が高いと広告対象などにもなりやすくなり、資金が集まりやすくなります。
例えばシンクロナイズドスイミングは、競技人口で見ると、非常に少ないですが、オリンピック正式競技ということもあり知名度は抜群です。
知名度があると、それを利用して新たな取り組みをすることも容易になります。要するに影響力が強くなります。
イメージ
同時に、競技自体のイメージも重要な意味を持ってきます。イメージが悪いと、遊び以外で真剣に継続してやってみたいと思う人も増えないので、結果として競技人口が増えずに、知名度も上がりにくくなります。またはネガティブなものが広まるとやりたいと思う人は増えないでしょう。
ポジティブなイメージではない限り、物珍しさで一瞬知名度が上がったとしても、長期的な発展は厳しいのは想像に難くないでしょう。一発芸人と同じです。
この意味では「珍スポーツ・ニュースポーツ」というくくりでは、一発芸・出落ち感が否めなくなってしまいます。
上記のような要素はお互いに関係しているので、完全に切り離すのは難しいですが、普及をしたいと考えている人の打算的な部分を考えると、このようなところではないでしょうか。要するにすべて、資金の集めやすさにかかわっています。確かに各スポーツ自体はそれぞれ独立していて優劣はありません。しかしながら、スポーツが人間がたしなむものである以上、長期的に見て持続可能的に発展が可能であるためには、経済的な安定と成長が必要になります。そのためには上記のような要素が重要になってくるのではないでしょうか。
「卵が先か鶏が先か」と同様に、普及させると利益が上げられるようになり、利益が上がるようになるとさらに普及が進むという好循環が生まれます。競技を普及させることと、スポーツ資産を増やすことはほぼ同義と言っていいでしょう。よって、競技を普及させるとは、競技人口・知名度・イメージを増加・向上させることになります。半ば株式会社が株の時価を増加させようとするのと同等でしょう。
おそらく、普及をしたいといっている方々は、これらのことをどこかで感じているのではないでしょうか。
ベンチャースポーツ
さて、上記のスポーツ資産の中で最も手が付けやすいのはどれでしょうか?競技人口には文字通り、人数が必要です。知名度は、言ってみればマスメディアの力などが必要になってきます。イメージはどうでしょう?確かにこれも難しい部分がありますが、呼び方を変えるだけでも効果はありそうです。少なくともポジティブなイメージがつけば、それに応じて知名度も競技人口も増えやすい環境になるでしょう。
このブログでは、ベンチャースポーツという単語が何度も登場します。
これは、マイナースポーツと呼ばれる際の「マイナー」に、ネガティブなイメージがこびりついているのを外そうとしてのことです。実際のところ、は非常に面白く興味深いスポーツが多い中、マイナースポーツと呼ばれているだけで、取り組んだことがない人は、負のイメージを少なからず持っていることがあるでしょう。
また、マイナースポーツというネガティブなイメージを持つものをやっているという思われるのが嫌で、興味があるものの、手を出せていない人もかなりの数に上るのではないでしょうか?
零細企業やベンチャー企業は、ほぼ点で見れば同じではあるもののイメージが全く違うという状況と酷似しています。
多くの協会の方々に賛同いただき、徐々にベンチャースポーツという単語が使われるようになって来ました。現に現在ではGoogle検索でベンチャースポーツと予測変換が表示されるようになりました。
一見すると以前からあるものでも、新たな概念を定義するなどしてイメージが上がると、新しいものとして取り上げられる機会が増えるなど、知名度も上がりやすくなります。良いイメージのもので、知名度が上がれば、最終的にはやってみたいと感じる人が増え、競技人口が増えていくことでしょう。よってスポーツ資産が増加し、普及につながると考えています。
日本代表倶楽部
これに関連して、日本代表ですらも競技名が知られていないため宣伝ができないと、ベンチャースポーツ関係者の方が口をそろえて言っていることを受け、無料で宣伝ができる、検索に強く露出がしやすくする環境を作るべく、日本代表倶楽部という「日本代表に関連するポータルサイト」を立ち上げ、運営・経営しています。
このサイトは、各日本代表の情報を見られるだけでなく、ログインをすると無料で各競技の結果の報告やイベント情報の公開ができ、無料で宣伝ができます。
ウェブサイトも海外のスタイリッシュなスポーツマガジンを参考に構築し、「このサイトに載っているとうれしく、思わず書き込みたくなるサイト」を意識しました。
なお広告が張ってありますが、近々利益が上がってくれば、一部をサイトへの貢献度が高い競技の渡航費などに充てていきたいと考えています。
このサイトをはじめとして、主に各競技・各ベンチャースポーツのイメージと、知名度の両方を徐々に上げていきたい。
終わりに
ベンチャースポーツは普及させることにより、主に経済面で好循環を起こすことができます。普及にはスポーツ資産の増加が必要になる。特殊な事情がない限りスポーツ資産の中でも競技人口が最重要であるものの、競技人口を増やすのは比較的時間がかかる。戦略的にはイメージと知名度を向上させることが、競技人口の増加につながり、結果として運営資金の増加にもつなげることができるだろう。