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公開日:2016年3月13日
更新日:2019年7月15日
毎年3月になるとケンブリッジは日本の高校生が訪れる時期になります。これ、観光客にしては時期が重なりすぎだし、学生だけじゃなくてどうやら先生もいるみたい。さて、なんなのだろう…?と疑問に思っていました。そして結局日本の高校の研修だということを突き止めました。そんなこんなで私も少々お手伝いをさせていただく機会もいただいてしまったのでちょっと、まとめてみます。
ケンブリッジ大学の短期研修
こちらの記事にもありますが、大学の春・夏休みの時期にあたるには日本のみならず、世界から短期コースの学生が集まります。
しかし、今回は大学生ではなく高校生のようです。彼らは何者なのでしょうか?少し調べると、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の生徒が主であることを突き止めました。
そもそもスーパーサイエンスハイスクール(SSH)って?
そもそも、このスーパーサイエンスハイスクールって何でしょう?例によってよくわからないときはWikipediaさんかなんかに聞いてみましょう。
文部科学省よりSSHの指定を受けた学校では、科学技術系人材の育成のため、各学校で作成した計画に基づき、独自のカリキュラムによる授業や、大学・研究機関などとの連携、地域の特色を生かした課題研究など様々な取り組みを積極的に行っています。
スーパーサイエンスハイスクールとは文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことである。SSHと略記される。
要するに文部科学省から指定された学校が、従来の指導要領を超えて、特にサイエンス(理数系)に力を入れた教育をしているようです。
SSHの活動は大学などとの連携で、講習があったりするようで、それは学校によりまちまちのようです。今回は、具体例として私も関わらせていただいた、Shiga Science Project(滋賀サイエンスプロジェクト)のイギリス研修についてみていきましょう。
Shiga Science Projectイギリス研修
さて、やっとたどり着きました。本題。そのSSHの活動の中で、より海外の大学などを身近に感じ、早期からグローバルな視点を身につけるために、海外研修を行っている事業もあるようで、Shiga Science Projectのイギリス研修はそのひとつのようです。
本校は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されており、さらに加えて、科学技術人材育成重点枠にも採択されております。
この科学技術人材育成重点枠事業として、本校SSHプログラムを滋賀県内に発信・普及させるために「Shiga Science Project」を実施しています。この一環として、本校2年生15名に加えて、連携校4校から各4名を迎え、計31名の生徒を本校の松宮教頭を団長としてイギリスに派遣しています。
日程 3月5日(土)~16日(水) 12日間
イギリスまで2週間以内って、個人的にはちょっと長めの国際会議の印象です。時差きつそう。時差ぼけが治った頃に帰国する日程のようです。ハードですね。
プレゼンテーションおよび交流会
私も関わらせていただいたのは、その中のケンブリッジの研修です。この研修では、実際にケンブリッジ大学でプレゼンのコースを受講したり、現地の日本人学生と交流をするようです。その日本人として今回声をかけていただきました。滋賀サイエンスプロジェクトの中心となっている滋賀県膳所高校のホームページによると、
AM 科学英語研修②<ケンブリッジ大学 Jesus College>
PM 在ケンブリッジ日本人研究者によるプレゼンテーションおよび交流会
ケンブリッジ大学で研究されている3名の日本人研究者の方々に、ご自身の研究内容や海外で研究する魅力などについてお話しいただきました。その後の先生方との交流会では、さらに世界へ目を向けるきっかけをいただくことができました。また、並行してキャベンディッシュ研究所のミュージアムを訪問し、科学史に名を遺す偉大な方々に関する展示を見学しました。
だそうです。偶然にも私も所属のJesus Collegeで研修を行われていたようです。確かにジーザスカレッジにもこんな看板が立っていた!
Shiga 2016 Prioress’s Room.
確かに前にもこれたってたような記憶が・・・?と思いちょっと画像フォルダをさかのぼってみると、ありました。
Shiga Science 2014 Coleridge Room.
両方とも数十人入れる部屋ですね。特にColeridge Roomは、学内のナイトクラブによく利用されている印象。
そのセッションで話させていただきました。ちゃっかり掲載いただいておりました。
その際の発表を録画しYoutubeで公開したものがこちら。
ただ、ウェブの説明を見る限りでは、今回は物理専攻の研究者として呼ばれていたようですが、物理や化学の話はほぼせず。その後も記述があるように、キャベンディッシュ研究所のミュージアムを見学した際に、ちょっとは話したから良いとしましょう。
ちょっと出てきたマクスウェルセンターはこちら。
キャベンディッシュミュージアム見学
キャベンディッシュミュージアムまとめはこちら。
ミュージアムに展示されている発見自体は、物理や無機化学専攻の間では有名な功績が多いものの、基本的には特に高校生にはしられていないものが多いので、今回は意識的に、こんな感じで行いました。
マクスウェルの像
「はい、こちらマクスウェルさん。一緒に写真撮っておけば?キメ顔自撮りでもいいかも。」
マクスウェルの机
「こちら、マクスウェルの机!触っとけば計算速くなるかも。」
ブラッグの法則
「はい、波の干渉の式、dsinθ=nλの人がこちら。」
DNA二重らせん構造
DNAの二重らせん構造、の模型。
少なくとも、私が高校生だったら、「中性子の発見に~」とか言う説明よりもこういう感じの方が絶対にいいと思う。他のSSH校も偶然同じ時間同じ日程で来ており、その際にはケンブリッジの担当のプレゼンターが「Neutronがどうのこうの~という説明」を英語で行われていた。(実際聞いていたところ、中性子線を使ったことがない私もところどころ分からなかった。)
ただ、彼ら的には、そういった道具の説明よりも、集合写真のJJトムソンが、年を追うごとに額が広くなっていっているところの方が興味深かったらしい。(自分が高校生だったら多分そうなってると思う。)
JJトムソン(中央)と、チャラい座り方をしているラザフォード(右端)
それでも
並行してキャベンディッシュ研究所のミュージアムを訪問し、科学史に名を遺す偉大な方々に関する展示を見学しました。
であることに間違えはなさそうです。
終わりに
そんな感じでこのセッションは終了しました。ケンブリッジではこのほかにもサイエンスフェスティバルを見学したりするそうです。
彼らはその後もロンドンの博物館などを回る予定だそうです。この研修を機に、彼らの今後のさらなる活躍を心から願っています。