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公開日:2016年11月18日
更新日:2021年8月14日
奨学金についての時期なのか、質問が来ることがあります。
そのうちのいくつかが「どれに申し込めばいいのでしょうか?」というものに関係あるものがあります。特に給付型・返済不要のものについて考えましょう。ただしこの質問が来ている時点で今年の大半の締め切りは過ぎているので、来年以降に参考いただければ幸いです。なかなか急ごうにもタイムラグがあります。ご了承ください。
さて、私の結論は「出せるものは出せるだけ出せ」です。
その理由を、このブログでもたまに紹介していた投資型カードゲーム「ポーカー」の思考と同様に、投資として考えてみましょう。
奨学金の出願にギャンブルを連想しそうなものを載せるな、とか苦情が来そうですが、ギャンブルと投資は私の中では全く異なる概念です。ポーカーは運任せのギャンブルではなく、囲碁将棋のような頭脳競技(マインドスポーツ)ですが、これはマインドスポーツのカテゴリーを参照ください。今回は、大まじめに奨学金出願を投資として考えてみたいと思います。
投資として考える奨学金
さて投資として考えるとはどういうことでしょうか。ここでは、奨学金が獲得できる期待値に対して、どれくらいの労力(コスト)で参加できるのかということを考えます。期待値がコストよりも高ければ実行するべきです。詳細に見ていきましょう。なお、ここの個体差は無視して、単に確率だけを考えます。
期待できる収入
給付奨学金、特に海外留学系のものは、学費や生活費などもろもろを合計すると、数百万円から数千万円に上ります。簡単のため1000万円とします。
倍率・確率
倍率はものによりますが、大体の場合において10-20倍の範囲に収まっているのではないでしょうか?ここでは簡単のために20倍ということにしておきます。
労力・コスト
その出願に必要なものは、申請書の他に、成績表や、推薦書、志望理由などの合計数枚の書類と数十分の面接だけです。
さてこの準備にかかる現時点でのあなたの労力はどれくらいでしょうか?大半の場合アルバイトなどをしているでしょうから、その時給で考えてみましょう。
時給も人によってまばらですが、学生のアルバイトとしては、おそらく高くても時給5000円を超えることはなかなかないと思います。それでも今回はこの高めに見積もった時給5000円としましょう。
申請書類の準備は何時間かかるでしょうか?志望理由が時間がかかるとしても、考えている時間は含めないで、実質の執筆時間で9時間としてみましょう。ほかの応募用紙は、ただ埋めるだけ、成績表は数百円ほどで発行。推薦書は自分で書かないので除外します。もし自分で書いてサインと言われた場合を考えて、これも9時間かかるとしてみましょう。面接は移動を入れても2時間ほどでしょうか。
さて、ここで準備は大体5000×20=100000と10万円ほどになります。
期待値の計算
これに対し、上記の給付額と倍率から、奨学金の「期待値」を考えてみます。
合計金額1000万円÷倍率(20倍)=奨学金の期待値50万円。
よって、50万円の期待値の投資に10万円で参加できます。しかも上記の場合は倍率を上限レベル高めに見積もり、労力コストを上限レベルで高めに見積もっています。実際はもっと低いでしょう。よって期待値はさらに上がります。
倍率が10倍で、時間が10時間であれば、100万円の期待値に5万円で参加できます。
こう考えたらやらないという選択肢はもはや愚かでしかありません。
この考えの補足
上記の考えは、ただ単に確率と期待値だけを考えた場合です。計算には個体差を完全に無視して考えているため、もしあなたが、特筆事項がある場合さらに確率は上がります。
コツの一つはこちらにまとめました。
【民間/大学】海外留学奨学金(給付・返済不要)の出願のコツ【志望/理由】
また、書類はどこも似通っているために、使いまわしもできるのでさらに準備が楽になり、コストがさらに下がります。
上記は、アルバイトの時間の代わりに書類作成を行った場合です。仮にアルバイト時間とは独立にやれば、金銭的な損失はゼロです。その場合は、上記で考えると期待値50万円の機会に無料で参加できます。もはややらない手はないでしょう。ノーリスクハイリターンの極み。
さらになかなかお目にかかれないような人物と直接話すことができるコミュニティにも入れる場合があります。これはもはやお金を払っても難しいでしょう。こちらにまとめてあります。
大学/留学/返済不要給付奨学金の金銭よりも重要な価値について思うこと
さらに、多く出せば出すほど、自分の志望理由を考えることになります。「宣言したことは将来現実になる」という引き寄せの法則は有名な自己暗示なので、結果として合格率も上がっていくことでしょう。これは、もし仮に全滅した場合にも有効です。真剣に考えた経験がその後に生きてくるでしょう。
ものによっては様々な制約が出てきます。例えば「経済学専攻のみ」「埼玉県出身」「女性のみ」など。こういったものはさらに倍率を下げます。
それでも一部のものは…?
それでも、一部のものは「卒業後は、うちの会社で働きなさい」であるとか、「日本で何か特定のものに従事すること」などもあります。
人生予定は未定でしょうから、「確約」するだけなら、まだ気が変わりましたというのはありかもしれませんが、「うちの会社で働きなさい」は、どうも逃れようがなさそうです。その会社に非常に興味があればよいと思いますが、そこまで惹かれないのであれば、こういう制約がついているものは避けたほうがよさそうです。
終わりに
上記のように、給付奨学金は事実上ノーリスクハイリターンの投資になります。
こんな機会はなかなかありません。出せるものは全部出しましょう。