目次
公開日:2015年6月14日
更新日:2019年7月21日
奨学金シリーズです。船井情報科学振興財団の海外大PhDコース進学向けの奨学制度Funai Overseas Scholarship (FOS)について説明します。
FOSは船井電機創業者である船井哲良会長が、グローバル社会における日本の競争力向上の為に設立された財団です。奨学事業と褒賞事業があります。
奨学事業
1. 目的
海外の大学院に留学し、学位取得を目指す日本人学生に対し て、奨学金を支給することにより、若手人材を育成し、もってわが国の科学技術分野の発展に寄与することを目的とする。
科学技術分野の若手人材を支援しています。
2. 応募資格
情報科学、情報技術分野を中心に広く理工系分野、生命科学分野、および、経済・経営分野において、 海外の研究大学の大学院にPh.D.取得を目指して留学する者日本国籍を有する又は日本への永住が許可されていることを条件とする。
分野は広く、情報科学・技術に関連する分野で海外PhDコースへ進学するものとなっています。
3. 募集人員
理工系分野を中心とし、生命科学、経済・経営分野を合わせて12名程度とする。
毎年約10人強の採用です。尚応募者は大体7倍くらいのようです。
4. 支援期間
原則2年間
5. 支援内容
① 授業料 :全額
② 医療保険費:全額
③ 生活費 :2,500米ドル/月
④ 支度金 :50万円
⑤ 渡航費 :往復航空運賃
円安の昨今では米ドル支給の方が、影響を受けにいです。
6. 必要書類
応募者は次の書類を本財団に提出する。
① 申請書(ここからダウンロードして下さい)
② 評価書 3通 (和文あるいは英文。評価書書式は上記①申請書ファイルの6-7ページにあります。)(応募者の能力、人柄等を知る者3名がそれぞれ記載の上、厳封する。本評価書は海外大学院に合格しうるかどうかを判断するための重要な資料となる。志望留学先へ出願する際の推薦書に同等の内容が記述されることを想定して審査するので、応募者の活動を具体的に記述できる方に評価を依頼することを推奨する。)注: 志望留学先への出願に際して3通未満の推薦状しか求められていない場合に限り、本評価書の数を、出願に必要な推薦状と同数に減じてよいとする。その場合はその旨を明記すること。
③ 成績証明書(大学入学後、申請時まで)
④ これまでの(研究)成果物の別刷り
※ 応募書類は返却しません。
奨学金の申請に推薦状が3通必要というのは珍しい例かと思います。
7. 応募期間
平成27年6月1日(月)~平成27年10月9日(金)
本記事執筆現在、応募書類受付中です。
8. 選考方法
選考は本財団の奨学事業選考委員会で書類選考(平成27年11月1日)を行い、その合格者に対して、面接選考(平成27年11月7日予定)を行う。その結果に基づいて、理事長が選考内定者を決定する。
要するに書類と面接です。
9. 奨学金支援の決定について
選考内定者が、志望留学先大学の大学院に合格し、留学が決定したときをもって、
Funai Overseas Scholarshipの支援決定とする。一方、志望留学先大学に留学が実現しなかった場合には、選考内定を取り消す。
こちらの記事でも書きましたが、やはり財団側にとっても採用内定者の志望校全滅は運営に支障が出ることが予想されるので、故意に全滅しようとしているわけではなくとも、志願者も全滅は避けたほうがよいです。また上記推薦状を3通必要とする点からも、志願者の全滅についてはかなり気を使っている印象を受けます。
10. 奨学生の義務
奨学生として採用された者は、財団が用意する日本人海外留学奨学生の規定に沿った書類等を財団に提出する。また、留学中は定期的に報告書を財団理事長に提出する。
留学生レポートの提出が義務付けられています。私も書いています。提出回を増すごとに凝った内容になっているのを自分でも感じます。
はてなブログの今週のお題「私がブログを始めたきっかけ」にも書きましたが、本レポートがこのブログの開始のきっかけにもなっています。
11. その他
① 本財団から奨学金の支給を受けている期間中、他財団等からの同様の留学支援を趣旨とした資金
援助は受けられない。
② 本財団での面接のために必要な交通費は支給する。
全額カバーなどの留学奨学金の併給は不可能となっています。
以下財団業務執行理事の益田隆司東京大学名誉教授が詳細に状況について書かれています。
交流会
奨学金の支給のほかに、学生同士やゲストの教授を招待した交流会が行われています。毎年夏に国外、冬の忘年会シーズンに日本で行われています。特に夏の交流会にはノーベル化学賞受賞者である根岸英一教授なども招待されており、豪華なイベントとなっています。
その他
最近ではNaverまとめに記事ができるほどには注目を集めるようになってきています。
私のツイートも引用されていました。
ブログ「文武両道+αのすゝめ」を始めるきっかけにもなった留学生レポートです。私は船井財団のFOS奨学生として、半年に一回のペースでレポートを更新しています。公益財団法人船井情報科学振興財団FOS奨学生レポート篠原肇http://t.co/2sxdMLoGJd
— HajimeShinohara(篠原肇) (@HajimeShinohara) May 7, 2015
終わりに
海外留学の難易度を下げるためには、国内からの資金獲得も重要となってきます。該当する方は上記財団も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
※尚本記事は、私が個人的に記事にしているだけで、財団の方針とは一切関係はありません。