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公開日:2016年7月3日
更新日:2019年7月15日
本ブログでも奨学金の獲得に関する記事の人気とアクセス数の高さからも、奨学金に関する関心の高さがうかがえます。進学においては、資金が必要になるのはもちろんです。しかしながら奨学金には、直接的な金銭以外にも様々な特典があります。今回はその点についてみていきたいと思います。
さて、奨学金は金銭以外にも重要なことが得られるということについてですが、私は奨学金は、金銭以外の面が多いように感じています。
コミュニティ・ネットワーク
どの場合もおそらく例外なく財団のコミュニティが存在します。そしてそのネットワークは将来的にはかなり強力なものになるのではないでしょうか?
例えば、おそらく日本語ではあまり聞いたこともないと思いますが、Global Scholars Symposiumという団体があります。こちらは指定された8つの奨学金の奨学金の関係者のみが申請・応募できるイベントです。私は応募できません。
前回はケンブリッジ大学で行われ、メインのゲストは、ノーベル平和賞受賞者のダライラマだったそうです。
Global Scholars Symposium 2016 | Spaces in Between
このシンポジウムに応募できる奨学金の中の例えばローズ財団では、オックスフォード大学内にローズハウスという関係者向けの建物があったり、ケンブリッジ大学のビルゲイツのゲイツ財団では、ゲイツ奨学生のみが利用できるラウンジがあったりします。この辺も歴史的にもつながっているようで、フルブライト奨学金のフルブライト氏はオックスフォード大学ローズ財団出身です。
こういうイベントのほかにも、各団体で交流イベントとしてディナーなどのイベントにも招待いただけます。学内に一般公開される前の情報が事前に回ってきたりもします。
日本のものも見てみましょう。
私が支援いただいている船井情報科学振興財団では、交流会が行われます。その際にゲストでノーベル化学賞受賞者の根岸英一さんがいらっしゃったこともあります。この際も先生と直接話させていただくことができました。
同様に中島財団や吉田育英会などでも交流会を行っていると聞きます。
トビタテジャパンでも、留学後に就職プログラムなどを行っていて、新たな機会が用意されている様子です。
とまあ、こういう感じですので、オファーがあった場合には「今は学生で金銭的に厳しいだろうから今は支援してあげるから私たちのコミュニティの一員として頑張ってほしい」というメッセージと受け取ってメンバーになっておいたほうがよさそうです。
意識
これは、なんというか一種のアファメーションや洗脳に近いものだと思いますが、多くの集まりでの挨拶の際など節目節目で、相当な著名人や成功者から「君たちは今後の世界を担う人材である」であるとか、「世界中から選びに選び抜かれた人材なのだから、もっと自信を持ってあらゆることに挑戦してほしい」などと聞きなれるほどに言われます。
最初は「いやー、そんなお世辞で冗談言わないでよー」位に思っていましたが、いう人いう人みな冗談っぽくではなく、冗談抜きで真剣に言っているのを何度も見ると、徐々に、少しは「もしかしたら本当にそうなのかも?」と思ってしまうところがある。意識改革は何をするにも重要だとはよく言われているので、こういう一種の意識改革をされるのは、目には見えないが、効果があるのかもしれません。
(まあそれでも「なんで通ったんだろう…?」と思うことはいまだにしばしばある。)
箔
なんだかんだでどこもザルではなく一般的な大学機関の合格よりも敷居の高い選考をしていますし、歴史が長い財団のものでは、卒業生が世界的に活躍していることも予想されます。そうなれば「この財団に通っている学生なら優秀に違いない」とある程度あしきりにあわずに済みます。もちろん個人の実力が最終的には重要なのは言うまでもありませんが、なんだかんだで、人からの期待や評価が、結果に少なからず影響を与えていると感じているので、こういう部分もあったほうがいいでしょう。
終わりに
金銭との非対称性。こういった経験は、お金では買えないものでしょう。確かに何百億円と寄付したら、別の財団の寄付者として招待されることはあるかとは思いますが、それはまた別の話です。
何百億円も持っている人からすれば、見方によっては年間数百万円なんて、端金未満なわけですから。彼らにしてみれば、奨学金の卒業生が将来何かを成し遂げた際に、「あいつうちの卒業生だ!」って言えるのは大変うれしいのではないでしょうか?
以上の点を踏まえると、奨学金は受け取る金銭は0円でも、オファーがあったらメンバーになっておいたほうが良いでしょう。そもそもお金を払っていては奨学金の意味が本末転倒なので、成り立たないことになりますが、できることならむしろ少額なら払ってもよさそう。もし資金があってお金は大丈夫、という人でも、応募しておくことをお勧めします。申し込みのコツはこちら。