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公開日:2024年1月3日
更新日:2024年1月8日
コンサルから研究職に転職して一年がたった。
そこで最近、よく見聞きする表現がいくつかある。
大企業の正社員は特権階級
リモート在宅勤務は特権階級
研究職は現代の貴族
上の表現を借り、上記の全てを「かつ」でまとめると
フルリモート在宅勤務の大企業の正社員研究職は特権中の特権階級の現代の貴族
ということになる。
???「大企業の研究職は貴族なので」
— wearchy (@wearchy) December 11, 2021
「研究職は現代の貴族」って表現があるけど、マージャン店で働くことは、マージャンの研究をしながら生活が出来る訳で、ある意味研究者なんじゃないか。
麻雀が好きな人は、何も迷うことなく麻雀をやり続けよう。
応援します。— 森 博義 (@pmag7GLOoAKnmTY) October 30, 2017
現場だと「この研究は役にたちそう!」という即物的な観点から予算なり研究が優遇されてるからなぁ
正直、今の時代で研究職希望なんて貴族の道楽と大差ないですよ https://t.co/x3nddvX8hb— ざかふかす@同志なぱーむ (@Innsmouthface) October 2, 2017
https://twitter.com/3746_5/status/1587969515685494785?s=20&t=EqRq7Bez5aBgw1aCGTGuGQ
リモート勤務せずに出勤してる労働者だけ減税とかしない?リモートワークは現代に蘇った貴族制度。
— ポンデべッキオ (@pondebekkio) November 29, 2023
これについて「実際のところどうなのか?」を実体験を基に考察する。
貴族とは
貴族を調べると以下のようにある。
貴族(きぞく)は、特権を備えた名誉や称号を持ち、それゆえに他の社会階級の人々と明確に区別された社会階層に属する集団
要するに明確に区別された社会階級に属している必要がある。
貴族の暮らしを調べていれば切りがないので、他の記事や各種王室の展示品の見学などをして調べておいて欲しい。
リモート在宅勤務大企業研究職
一方で、リモート在宅勤務が出来る大企業の研究職について考えていきたい。
会社員
そもそもが「リモート在宅勤務大企業研究職」は一般企業の正社員である。要は扱いとしては会社員である。税金の免除なども特に何もない。むしろ増税のターゲットにされがちなレンジに属していることが多い。
仕事内容
仕事内容は、おそらくポジションや組織にも大きく依存するが「何かの研究」である。アウトプットは学会発表、特許や論文である。何もしなくていいわけではない。
評価・査定がある
当然であるが通常の会社員なのでマネージャーもいて、評価も査定もある。さらにひどいとクビになることもある。
義務もある
リモートワークとはいえ週に1回は出社など義務もある。勤怠管理の提出も必要である。まあ要はいろいろとやらないといけないことは溢れている。何もないわけではない。
なぜ貴族的?
とまあそんな感じで「リモート在宅勤務大企業研究職」はいわゆる普通の会社員である。しかしなぜそんなに貴族的と言われがちなのか?
おそらく以下である。
研究職は「お客様からの理不尽要求で苦しむ」のようなことはあまりない。
コンサルでは、締め切りまでにいろいろな要求があってもクローズするというプレッシャーがあったが、研究職では学会や論文の締め切りのような「最悪、次でいい」という感じのソフトな締め切りが多く、ひどいプレッシャーになることはなかなかない。
そもそも研究の特性上「思い通りに行かないこと」が非常に多い。
また「営業成績でド詰め」みたいなこともない。
ひたすら「いろいろ読んで、書いて、検証して、たまに海外出張して」という光景は、見方によっては「優雅にコーヒーを飲んで、お話して、何か読んで、書いてるだけ。たまに海外まで遊びに行ってる」に見えるかもしれない。
要は以下のようなシャカイジンケイケンのような理不尽欲求に晒されることが少ない。
日本社会における先輩や年上からの理不尽や、「みんな」からの同調圧力を受け、「シャカイとはそういうもんだ」と自分の意見を殺しつつ受け入れ、現在暗黙の了解とされている、(主にお受験偏差値が支配的な)序列を乱さないように適切に忖度し行動する経験。ただし、例外として、権威主義としての「お上」が認めたものを前提とする。
社会人経験(シャカイジンケイケン)とは何か?定義・多角的な比較と考察
個人的な気分
では経験を基にした個人的な気分はどうなのか?
個人的には「リモート在宅勤務大企業研究職」は
収入のある宅浪生
である。宅浪は、在宅浪人生の略で、予備校に行かない浪人生である。勉強しないとただの在宅ニートである。収入はあり、色々考えㇳ都はするし、本も読んで問題を解決しようとはするが、授業はなく家にいてもいい状況である。家でひたすら何かを読んで書いて、のような生活である。
または、
収入が多い大学院生
といった気分である。個人的にはこっちに気分が近い気がする。コンプライアンスや情報統制以外は基本的に大学院生の時の生活とあまり変わらない。
これも何もしないと「卒業できないキャンパスを放浪している学生」になってしまう。
ただ大学院生と比較すると、学費を払う必要もなく、奨学金切れもなく、福利厚生が追加された、という感じである。
そして研究職に関しては、体感としてこの「収入が多い大学院生」を上げる人はかなり多い印象である。
じゃあ楽なのか?
じゃあ気楽で楽なのか?と言われることが多い。正直これはものによる。
確かに身体的には楽かもしれないが、精神的にきついこともある。
多くの場合、自分との戦いになる。
そしてこれがもしかしたら結構きつい。
案件をクローズするためにやればいいだけのものはなかなかない。
営業のように数字を積めばいいだけというものでもない。
成果も出る保証がない。
でもやるしかない。
さらに同僚は基本的に優秀である。そんな人たちに埋もれずに何かするのは何かとハードルは上がりがちである。
これは結構きついと思う人はきついだろう。
ナチュボン
さて「リモート在宅勤務大企業研究職」特権階級や貴族ではなさそうである。しかしながら、これに近いような傾向を持つ存在として当てはまりそうなものがあった。
ネットで言われる「ナチュボン」である。
“ナチュボン”は略称で、正確には”ナチュラル・ボーン・バイサイド(Natural Born Buyside)”※が正式な名称のようです。
その意味は、twitterのみで使われているネットスラングであるためどの辞書にも載っていませんが、twitter上の文例から私が定義すると、「新卒で機関投資家の運用(フロント)職に就いた人」「新卒で機関投資家の運用職に就き、いかにも新卒で機関投資家の運用職に就いたような性格を持つ人」あたりでしょうか。【2021年決定版】ナチュボンとは?その意味は?語源は?調べてみました!
ナチュボンは辞書に載っているわけでもないので、なんでも良いと思うのですが、性格的に傲慢に仕上がった新卒からアセマネで運用をやっている人間のことを指してナチュボンと言い始めたのが語源だと思われます。なので、ナチュボンに傲慢なやつが多いのではなく、条件を満たした傲慢な人間がナチュボンなのです。
ご質問の意図するであろうというところに答えますと、新卒で運用会社に入り、早い段階でアナリストやポートフォリオマネージャーの見習いを始めますと、工場で汗する苦労を知るわけでもなく、数字と資料を眺めることになります。またミーティングをアテンドしてくれるセルサイドの方や、事業会社の方も、基本こちらが客という扱いなので、予想以上に腰が低くなり、ときには上場企業の社長さんが入社数年のアナリストをヨイショし続けるという構図もできたりします。そこまでひどくはなくても同席したシニアが社長さんを詰め、社長さんはシニアをヨイショする。そういった状況になれきってしまうと、冒頭のような仕上がったナチュボンが誕生いたします。(と言われています。
解説しよう、ナチュボンとは。新卒で生保とか大手資産運用会社の仕事に就くと、最初から証券会社の偉いおっさんや若くてかわいい女子のセールスとかから接待されまくって、高級レストランやキャバクラとかタダで行きまくり、そういうのが当たり前になって、王子様的な人格に育った社会人のこと。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) March 25, 2021
ナチュボンの定義ならナチュボンになるのってかなりの能力がないと無理だよ。学歴含めね。的外れな絡みしている人が多いなと思う。貴族よ。正直。普通のサラリーマンの価値観では合わないと思う。考えようによっちゃ医者とか財閥デベロッパーみたいなね。
— こーたろー (@WoBizIN) October 27, 2021
貴族かオーナーの家系に生まれて、慶応幼稚舎から人脈を作り、ご家族の都合で駐在するか、海外大学に進み、ミス〇〇とか学生ESG団体の代表として国際会議で話すとかすれば、ナチュボンになれると思います。#querie_ActiveIndexhttps://t.co/gXzjtdpRSp
— ActiveIndex (@ActiveIndex) September 16, 2022
研究対象が自然やコンピューターであることが多いため過剰接待になることは少ないが、場合によっては特殊技術を持っていることが多いので、接待的な姿勢を取られることや、仕事で相手を尊重する機会が比較的少ない状況が多いため、ナチュボンに近い可能性は高い。
終わりに
色々見てきた結果「リモート在宅勤務大企業研究職」は現代の特権階級ではなく、いわゆる普通の会社員であり、貴族からは程遠い。広大な土地を持っている地主などの方がよっぽど貴族っぽいだろう。ただし、金融分野で言われる「ナチュボン」の立ち位置に近いといえば近いかもしれない。
何かの参考にいただければ幸いである。