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公開日:2016年6月12日
更新日:2019年7月21日
国内外の大学院をはじめとして留学先を絞る場合に、希望する研究グループやゼミを探す必要があります。今回はこの点についてまとめました。
尚筆者の経験上、理工系の海外大博士課程を具体例にしていますが、他にも応用できる内容かと思います。
はじめに
進学の際には共同研究先などのコネやツテで行くのが一番効率的で効果的であるというのは他の記事で何度か言及したことかと思います。特に相手が推薦状重視の文化の国であればなおさらです。
もし研究が比較的長く、同じような分野に進学したい場合には、関連研究分野の論文からたどるのが一番良いでしょう。もしその場合は、既に著名な著者と既に国際会議などで直接話をしている(≒すでにコネがある)可能性もあります。
しかしながら一般的に言って、これから主に博士課程に進学するであろう学部生や修士課程の学生は、このようなつながりがない可能性が高いでしょう。実際私もありませんでした。
ウェブページ
そのような場合、主にインターネットを使って調べることになるかと思います。特に興味のある研究グループを探すことになるでしょう。最初のとっかかりは、論文であることに変わりはありませんが。興味のある分野の氏名やアドレスから検索してみましょう。
ただし、ここで問題が浮上します。往々にして研究グループのウェブページはなかなか更新されていません。メンバーページが数年放置されていることは通常でしょう。既に他の機関に移籍している、なんて言うのも日常茶飯事です。研究内容や出願希望者のページも同様です。何年も前からだれも手を付けていないような内容がそのままということもよくあります。ちょっと具体的に見てみましょう。
さて、このメンバーは去年のもので、既に1年目終了間近の今年入学した1年生の名前は載っておらず、卒業して既にグループを去った人の名前が載っています。オフィスの部屋番号もだいぶ違います。
Prospective students (出願希望者)のページには、前先輩がやっていたものが載っています。そもそも2014年更新と書かれていますね。
更に、出願希望者のページの1番下には「学部生のプロジェクトはありません。」と書いてあります。しかし実際のところは、毎年学部生が来ています。今年も夏の数か月の学生が配属されています。
どうやって知ったのかを学部生に聞いたところ、これは、学内の募集ページ「プロジェクト一覧」などには掲載したりしているらしいです。
恐らく意図しているわけではないとは思いますが、実情では情報の正確さにかなり差が出ている現状です。(予想ですが、学部から締め切りの連絡が来たりして、プレッシャーをかけられているのではないでしょうか?)
ニュースと実績・業績ページ
さてそんななかなか更新されないウェブページも例外があります。実績・業績ページとニュースページです。メンバーページや研究内容のページは全くと言っていいほど放置でも、ニュースと業績のページは頻繁に更新されているという例が多いのではないでしょうか?
実績は往々にして表彰や研究費の採択などです。こちらも更新される傾向にあります。
(統計取っているわけではないし、上記のページすらも更新されないグループのページも多々あるので一概にいうのは厳しいですが、あくまで傾向はあるでしょう。)
一般的に研究グループにおいては、最も重要なものは業績と実績でしょう。
いくらニュースページも、実験ノートと同じように時系列でアップすればいいので負担は少ないのではないでしょうか。また、教員が授業を持っていたら、その授業の課題などもアップされるでしょう。
必要に迫られると行動するのは世の常なのかもしれません。
さてこれを踏まえて
さて、頻繁に更新されないウェブページ。どうすればよいでしょうか?上記からわかることは、研究業績には比較的簡単にたどり着けそうです。ここで、気になった論文からciting(引用されている論文を検索)し関連研究のここ最近の論文を調べ、興味がある旨のメールを送ってみることをお勧めします。
そもそもスルーの場合や、もし人がいっぱいの場合は返事がないか空いていないという返事が来る場合もありますが、学生を探しているのであれば、仮にドンピシャのことは既にやっていない、または現在の学生やポスドクが担当していたとしても、
「全く同じことはすでにやっている学生がいるけれども、その関連研究でこういうのがあるんだけどどう?」
や
「同僚の彼(大体CCが入っている)が似たようなことをやっていてこちらは人を探しているんだけど興味ありますか?」
という返事が返ってくることが多々あります。
こういう返事が来れば、ドアは半分くらい空いたといえるでしょう。
どうしたらこういう返事が来るかと言えば、おそらく具体的な内容や構想が書いてあるかどうかに尽きると思います。誰にでもコピペしているようなメールは送らないほうがいいでしょう。
書き方はこちらをどうぞ。
たまに、学生は取れるが、資金が厳しいという返事が来る場合もあります。その場合はこちらを参考に、奨学金に応募してみてはいかがでしょうか?
終わりに
今回の場合は、海外の理工系の大学の研究グループを題材としましたが、このようなやり方は、日本の大学はもちろんのこと、転職活動など、他にも応用できるのではないでしょうか?