目次
公開日:2021年5月29日
更新日:2021年5月29日
新型コロナの影響もあって、監視者が付いた形式のオンラインによる在宅受験が広がっているようである。こちらの体験をまとめておきたい。
オンライン試験 Online Proctor Exam
要はオンラインでカメラと音声をオンにした状態で監視委員に監視されながらの自宅でのオンラインでの試験の受験である。
試験をより多くの受験者に
徒歩0分の試験会場:
自宅に居ながら受験。
セキュリティーは厳格なまま。遠隔監視による試験配信サービス「OnVUE (オンビュー) – オンライン監督」を利用して試験を提供することで、一貫した効率的な受験体験を維持することができ、自宅で受験できるという利便性により、特に遠隔地の受験者を含めより多くの受験者に試験を提供することができます。
https://www.pearsonvue.co.jp/Test-Owner/Deliver/Online-proctored.aspx
気軽に受けられそう!カンニングも出来そう!と一瞬考えそうなものであるが、果たしてそうなのだろうか?実体験を以下にまとめて置く。
条件はテストセンターとほぼ同じ
条件はテストセンターでもオンライン受験でもほぼ同じであった。料金も同じ。深夜でも受験できるために、テストセンターよりも枠は多いかもしれない。
荷物検査服装検査は存在しなかったが、代わりに部屋の検査があった。
日程の予約
日程の予約はテストセンターでの受験と大差ない。希望の日時を予約する。リンクが送られてくるので当日ログインできる状態にしておけばいい。
事前確認
本人確認
自宅でも本人確認をされる。カメラに写真を撮り、パスポートの画像をカメラに見せて確認する。
部屋確認
本人確認に加え、部屋と机周辺の確認をさせられる。
カメラを回転させて、部屋の状態を確認する。さて問題はカメラがパソコンに接続されている場合である。大多数のラップトップの方はこれに該当するだろう。これはどうするかというと、パソコンごとパソコンのカメラを回転させ、部屋に怪しいものがないかを確認される。
その際の指示はこんな感じである。指示はチャットで行われる。
「360度カメラをゆっくり回転させてください。」
「もう一周」
・・・えー、電源ケーブルがつながった状態で1周させ、さらにもう1周させると、コードがねじれてしまうと思うのだが。
「天井を見せて!」
何もないよ。ヤリでも降ってくると思った?
「左の壁にかかっているものは?」
いやどう見てもコートだろ。
「下がって机全体を見せて」
あんまり安物の机見たいとか言わないでくれよ
「机の下は?」
何もないよ。よく見たら埃っぽいかも。引き出しはタイムマシンになっていないよ。
よってオンライン試験を受験するには、必然的にデスクを綺麗にし、波平さんの机のようにしておく必要がある。
http://a711.work/archives/22937097.html
逆に言えばオンライン試験を受けるのであれば、机を掃除する格好のモチベーションとなる。
問題はないが、洗濯物が山になっていたり、ゴミが散らかっていたりすることもすべて見せる必要がある。知らない監視員のTomさん相手とは言え、片付けておきたくなってしまう。
むしろゴミ屋敷の人は在宅受験が認められるのか?等要らぬ興味を持ってしまうほどである。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd192d5e956fa39f5100055b06e2240d72a3da05/images/000
なお服装は何も言われないが、VUEサイトのイメージ画像のようにソファーにゆったりと座って優雅な受験というわけには、いかないかもしれない。
https://www.pearsonvue.co.jp/Test-Owner/Deliver/Online-proctored.aspx
試験中
さて試験が開始されるとテストセンターとさほど変わらない。ただ違う点もある。
フレームアウトしてはいけない
試験中にカメラからフレームアウトしてはいけない。要は、カメラの前から消えてはいけない。これが結構きつい。ずっと似たような姿勢を保たねばならない。うずうずして無意識にこれくらいな感じで揺れているかもしれない。「いいないいなにんげんっていいな」っていう感じの揺れ。人間扱いされていないような拷問式の試験なのだが。
口に出してもいけない
カメラだけでなくマイクもオンにされ監視を受けている。口に出して問題を読んでもいけない。
問題に悩むと声に出したくなってしまうじゃないか。これも目立つとチャットで指導を受ける。
部屋に他の人がいてはいけない/入って来てもいけない
同じ部屋に他の人がいてはいけない。この関係で閉まった狭い部屋を用意する必要がある。この関係で青空教室では受験できない。カフェもダメ。結構ハードルは高い。途中で入って来てもいけない。
郵便が「ピンポーン!」って来ても出てはいけない。居留守みたいだが、居留守ではない。本人書留の場合には、在宅していたのにもかかわらず、不在票になってしまう。これほどAmazonの置き配に感謝したことはないかもしれない。
休憩が出来ないこともある
カンニング防止のためなのだろうか、4時間以上の試験であっても休憩が取れないこともある様子である。私の受験したものは10分間は休憩をしても良かった。
数時間にわたり、自宅の机にもかかわらずただカメラの前から動かずにひたすら問題を解く。一種の拷問である。
相当に面倒なセッティングを強いられる。やったことはないが、部屋のテレビから貞子が出て来ているように見せてみたり、壁が血まみれになっているとかをやってみたいものである。「ピンポーン」ってきたと思ったら「強盗だ!」って叫んでるとか。監視員に逆ドッキリを仕掛けたい。
試験後
試験後は例によって合否判定が出る。例によってPassedとかFailed/Did not Pass等である。冷たいのに変わりはない。監視員も「結果みた?では終わりです」といってアプリケーションを強制クローズしてくる。
カンニングできる?
ハッカーの性だろうか、こんなことを考えてしまった。
実際には、カメラで監視されているし、おそらく難しい。仮にできるとしても試験問題を休憩中に検索したりクイズミリオネア張りのテレフォンを繰り出すくらいだろうか?まあそれでもそんなに多くが出来るとは思えない。
バーチャルマシンを使えば出来るらしいということは以下のページなんかに書かれているが、少なくともパソコンにexeでファイルを入れられ、他のブラウザやアプリはすべて閉じていないと試験が開始されない方式になっていたりなどしたので、なかなかに厳しいようである。
On Knuckle Scanners and Cheating – How to Bypass Proctortrack, Examity, and the Rest
なんかアプリも作られているらしい。
オンラインテストでカンニングはバレる?試験のZoom監視とは?
インドでは窓からカンニングペーパーを見せてそれを使うよう指示しているものもあった。
これは本気なのか冗談なのかよく分からないが、そんな紙を周到に用意するなら用意した時点で頭に入っていそうである。なんだか大学の「持ち込み可能」試験を思い出してしまう。※持ち込み可能試験は、持ち込み用紙を作る過程で学習することを想定しているらしい。
This photo shows parents scaling a multi-story building to help their kids cheat on an exam
Cheating, chitting and spidermen of Biharhttp://t.co/6kuL3ZXc4w pic.twitter.com/3MHgX2jGjV
— IndiaToday (@IndiaToday) March 19, 2015
・・・まともに対策したほうが良さそうである。
終わりに
オンライン受験の方が、気楽に受けられるかも?と思っていた。確かに会場に出向くまでの交通費や時間が節約できるが、拷問のような試験形式は特に変わらない。
落ちると余計にメンタルのダメージを受けそうなので、ちゃんと確実に1発で合格できるようにしたいものである。
テストセンター版は以下の記事を参照ください。