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公開日:2016年4月21日
更新日:2019年7月21日
こんにちは。篠原肇(@HajimeShinohara)です。
日本では特に大学の教養として英語以外の外国語、例えばフランス語やスペイン語、ドイツ語などの第二外国語を履修することになります。「役に立たないのに、なんでやるの?」とよく言われるこの第二外国語ですが、個人的には役に立つ場面が結構あります。ちょっと紹介します。
国際的な環境で
私は物理学専攻ということもあり、物理分野の研究や、開発が盛んなドイツ語圏の人々が比較的多い環境にいます。私はドイツに数か月滞在しており、その際日常会話をドイツ語でできるようにするために必死で「ドイツ語・日常会話フレーズ」のような本を読んでいた関係で、少々ドイツ語であいさつなど簡単な会話であればできます。
一度過半数がドイツ人の集まりで順番に自己紹介を行った際、自分の番までがドイツ人で「ドイツで修士を取り、」「似たようなキャリアで…」のように順番に進んでいったときに、私の番が来た際に、司会の人が「はじめは、ドイツ人じゃないよね!?」っというフリが来た時に、「Ich bin Japaner. Ich kann nicht Deutsch sprechen. Kann ich auf Englisch sprechen? I am Japanese. I cannot speak German. …Can I speak in English? 私は日本人です。残念ながらドイツ語はできません。…ところで英語でしゃべってもいいですか?」と言ったら、それだけで大爆笑が起き、その後もひっきりなしに話しかけられる状況になりました。たったこれだけですが、ドイツ人からは非常に好印象となりました。
旅行先で
メキシコ・カンクンに旅行に行った際、お土産屋の店員さんが話しかけてきた割には、英語もなんだかたどたどしいかったところで「実はスペイン語少し話せるんですが、これはどうすればいいでしょうか?」と言ったところ、「Hablas Espanol? Excelente!」と、その後買い物中いろいろ教えてくれたり、試飲をやっていないはずのお酒を開けて飲ませてくれたり、売り物を着させてくれて記念撮影させてくれたりまでしてしまいました。
http://www.funaifoundation.jp/scholarship/201412shinohara.pdf
さらに日本人観光客は多いのか日本語の表現をいろいろ教えてほしいとのことであった。
友人の友人との会話
私はドラフツの世界大会でラトビアに先日行っており、その際にはラトビア語の日常会話を少々覚えてから行きました。そのおかげで本当にあいさつ程度ですがラトビア語が数センテンスはわかります。
先日ラトビア人の友人のラトビア人を紹介され、その友人が一口ケーキをくれたときに「Paldies!(ありがとう・ラトビア語)」と言っただけで、相当に驚かれ、その後すぐに仲が良くなりました。だれも日本人どころかアジア人がラトビア語がわかるだなんて思っていなかったのでしょう。
2015年にタンザニアのスラムへ数週間行っていた際には、スワヒリ語を少々覚えてから行きました。スワヒリ語はケニア・タンザニア・ウガンダで主に利用されています。途上国開発を先行している友人のウガンダ人の友人と話した際に「habari gani?(how are you?スワヒリ語)」と言ったら、目が飛び出るくらいに驚かれその後もいろいろ話す仲になりました。
外国語に対する後悔
今思えばですが、すべてもっとまじめにやっておけばよかったな、と思う限りです。スペイン語は結構まじめにやったのですが、それでもまだまだだと思う限りです。
また、オランダ語のコーフボールやったり、ギリシャ神話を読んだ際には、「昔オランダ語選択しておけばよかった」や「ギリシャ語とかラテン語やっておけばよかった」とかいろいろ思うわけですが、ただよく考えると日本の特に大学の理工系の学部でオランダ語とかラテン語とかを選択することってほとんど不可能ですね。まあ思い立ったが吉日でちょっとかじってみるのもいいかな、程度には思っています。
ラテン語に関してはひとつ面白いことがありました。紆余曲折あって友人の出身大学について、検索しあいながら調べていたとき、ページから以下のマークに目が行きました。
File:Keio University Crest.png – Wikipedia, the free encyclopedia
文学専攻の友人がこのマークを見た際に「The pen is mightier than the sword(ペンは剣よりも強し)」って言いだして、「え、なんで知っているんだろう?ほかでもこのマーク使われているのかな…?」と思ったのですが、彼女は「え?下に書いてあるじゃん。」と言い出した。
実は彼女はラテン語が読めるらしく、「calamus gladio fortior」が読めてしまった。正直めっちゃ格好よかった。
In its Latinized form, Calamus Gladio Fortior, it is the motto of Keio University in Tokyo, Japan.
The pen is mightier than the sword – Wikipedia, the free encyclopedia
本質的には、相手を理解しようとする姿勢・気遣い
第二外国語も母国語並みにペラペラな場合にはまた別の用途ができそうですが、そこまでではないものの、日常会話が少しでもできるような状況であれば、上記のように得をすることがかなりあります。
この理由は、その国の言葉を覚えて、話をしようとしているということは、相手の国ををリスペクトしている表れと取ることができるのではないでしょうか?人間は誰しも認められたり、気にかけていられるとうれしいものです。
全く逆でも成り立ちます。例えば、どう見ても日本人ではないと思われる白人や黒人の外国人が少しでも日本語を話して来たら、ちょっと注意を惹かれませんか?たとえ外国人が日本でスピーチをするとしても、冒頭のあいさつが片言でも日本語だと、話を聞く気にはなりませんか?
損得抜きにしても、相手に喜ばれることは、うれしいものです。
そんなこんなで、オフィスの本棚には、何かと外国語会話の本が並んでいます。
ただし…
ただし、これは私がある程度英語でほぼ不自由ない状態になっているというのが大きいです。実際に、私も英語ができなかった際には第二外国語など役に立たないだろうと思い全くやる気が起きませんでした。そもそも英語ができない状態だと国際色が豊かな環境に行く機会が、英語ができる状態と比較すると激減します。このため第二外国語を母語とする人々と接触する機会が激減するので余計に「第二外国語は役に立たない」という意見が強くなってしまうのでしょう。
終わりに
少なくとも現在の外国人の日本人の印象では「英語すらできない」がスタンダードなので、3,4か国語できるとそれだけでいい意味で印象を簡単に裏切ることができ、「ただものではない」と勝手に思ってもらえるようになり、物事がスムーズに進むこともあります。よって、「役に立たない」と言って毛嫌いせず、やってみてはいかがでしょうか?