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公開日:2020年11月25日
更新日:2022年3月8日
日本イベント産業振興協会が主催する「イベント検定」を受験し、合格しました。どうやら情報があまり出回っていないようなので、ここに状況や問題、対策法をまとめておきたいと思います。
受験動機
筆者はスポーツを通したイベントを提携することがあるために、どんなもんなのだろうか?と思い受験をすることにした。漠然と読むよりも良いだろうという感じである。
関係しそうな経歴
試験の対策は各個人の背景に大きく依存する。簡単にまとめておく。(このブログで公開している他の試験程神経質にならなくてもよさそうではある)
経歴
- Ph.D. (量子物理学, ケンブリッジ大学)
- 工学修士・工学学士(慶應義塾大学)
- 外資系コンサルティングファーム(リスク・セキュリティ)
資格
- CISA (公認情報システム監査人)
- CEH (認定ホワイトハッカー)
イベントに直接関係しそうなもの
- スポーツ経験多数・国際試合等
- 代表理事・日本ベンチャースポーツ連盟
監査やセキュリティの資格は関係なくない?と思ったのだが、実際にこれらに関する問題が数問出題された。もちろん教科書にも載っている。
事前の情報収集
通常試験では、サンプル問題や過去問が公開されていることが多い。しかしながらこのイベント検定では問題が一切公開されていない。
ネット検索
イベント検定をネット検索するといくつか情報が出てくる。
平成9年に創立された民間の検定試験「イベント検定」は、企業や中央官庁、自治体などでイベントの発注業務や管理・調整などをおこなう人材を育成するために始まった検定です。適切かつ効果的なイベントを実施するために、イベントに関する体系的な基礎知識が身についているかどうかが判定されます。受検には、日本イベント産業振興協会が認定する講座を修了している必要があります。イベント検定資格の難易度偏差値:38 資格の取り方
このサイトは様々な資格の難易度を比較している様子である。その中でイベント検定の難易度偏差値は38。(なんだか私の中学校の時の模試の偏差値みたいな難易度偏差値である。)
合格率
合格率は約8割の様子である。
検定 2018年度 2017年度 2016年度 イベント検定 379/491
77.2%364/431
84.5%430/522
82.4%
公式Facebookには何問か載っていた。確かに教科書には載っていたが、だいぶ細かいではないか。
Tweet
情報収集に意外と役立つTwitter検索。
https://twitter.com/inukoharu/status/939423591862484992
https://twitter.com/inukoharu/status/1049684658714071041
どうやら教科書からそのまま出題される様子である。
指定の教科書というのはこちら。
また、専門学校の方々が受験して合格率100%の様子。
https://twitter.com/nbc_now/status/964344114513768448
結局肝心な過去問集はヒットしなかった。これらの情報を元に、対策としては教科書を数回読み直すことにした。公式Facebookを気にして細かい部分も少々気にしながら。(よく考えると対策はこれだけである)
実際の試験
さて肝心の試験である。試験会場はカンファレンスセンター。ソーシャルディスタンスで長椅子に1人で着席。
問題60分で50問のマークシート(1-9)方式。すべてが3択問題ではなく、やYes, Noの2択や回答プールから選ぶ形式まで。
本当に教科書からそのまま出題
本当に教科書からそのまま出題されていた。図ももしかしたら同じであったかもしれない。
大部分は教科書のパラグラフからそのまま出て、穴埋めの部分を選ぶ形式。
形式が異なっていても内容はほぼ教科書からそのまま。それでも・・・?どっちだ?と思う問題は散見された。
何割かは日本語の問題
実際何問かは、もはや日本語の問題であった。
例えば穴埋めで以下のような状態があった。
( )な
この時点で()内に入るのは形容詞のみに限定される。大体「○○的」になることが内容を知らなくても予想される。
( )の増進
問題を読まなくても「○○の増進」に当てはまるのは、健康くらいしかないように思うが・・・。他のものなら向上・促進などの単語が付きそうである。(実際に健康が正解であった。)
合格発表
合格発表は試験の10日後にウェブサイトで公開されていた。
http://jace-kentei.jp/news/477/
その後書留で合格認定証が到着。
対策方法
対策方法は、教科書を細かい部分に気を付けながら何回も読む、というので良さそうである。
雑感
受験前は「もしかしたら以下みたいな問題なのか?」と思っていたが、そこまでではなかった。
Q:次の○に入るカタカナを選びなさい
イベ○ト
- シ
- ツ
- ソ
- ン
さすがにそんなことはなかった。
ただそれでも教科書の答えが完全な正解で「こういう考えも出来る」みたいな余地がないために、逆に難しい感じがした。
大学1,2年生の一般教養科目の「イベント学概論I」とかでありそうな感じであった。試験問題もそんな感じであった。授業聞いてましたか?系。
受験票の【受験上の注意】の一番下に「試験問題は、主に公式テキストから出題されます」の意味が受験してわかる形式であった。上述のようにまんまコピペの穴埋め問題が出たりもしていた。
60分の試験で途中退出しまくりであった。50人近くはいたと思われる試験会場で、途中退出が8割くらい。最後には10人弱になっていた。私は途中退出をしていない。
試験が終わって教科書を開きざっと行った自己採点は(43/50) 86% (すべての問題が等価の配点であると前提を置いた場合)。3つの選択肢があって、教科書通りの部分であることから、順番が違ったら間違いと言われかねない。そう考え教科書と違う順序で書いたものはすべて誤りとして計算。
ただし合格点は公開されていない。よくある試験のように「7割程度で合格」なのか、それとも「センター試験の物理」のように「満点じゃなければ恥ずかしい」系の試験なのだろうか…?専門学校の人たちまで、多くの人が受けている中で80%位が合格しているということは、そこまでラインは高くないかもしれない…?などと色々勘繰ってしまった。
イベント学会に参加した際も「…世の中は広い」と感じていたので、それに近いものを感じた。
総じてイベントに関して広く浅く触るには良いのではないか?と感じる内容であった。
ただ根も葉もない考えでは、現状の社会の仕組みから考えると、もしイベントの企画や運営に従事したい場合には、試験がどうのというよりも、電通等に就職したほうが規模としても、位置づけとしても直接的に関われそう、と思ってしまう今日この頃であった。
イベント検定の資格を生かした転職
イベント検定の経験を生かした就職先を探すには、イベント関係の案件が多くある転職サイトに登録することがおすすめ。転職はdoda(デューダ)で知られるdodaや資格de就職エージェントは、幅広い案件を扱っており「イベント」で検索しても数百件の案件がヒットした。転職の際に利用することをおすすめしたい。