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公開日:2024年2月25日
更新日:2024年3月1日
主に本ブログとは別にペンネームでいろいろ書いていますが、この度自分の経験に非常に近いエッセイコンテストを見つけ、実名で投稿したところ入賞してしまいました。以下に紹介します。さらにその後「選考方法」が詳細に記述されていたため、それらを基にエッセイコンテスト自体の考察をします。
機器分析に関するエッセイコンテスト
特定非営利活動法人産業分析人ネット「ナーチャー賞」「カルチュラ・アナリティカ賞」
「レンジでチンする感じでしょ?」
「レンジでチンする感じでしょ?」
よく言われがちなセリフである。特殊な機器分析装置を使った測定は、デモや実験室見学の初見者にとっては確かに「大きい装置のスイッチを押すだけ」に見えがちである。その光景から「なーんだ、見た目が仰々しいだけで、電子レンジでお弁当をチンするのと変わらないじゃない」と思われることもあるが、実際の測定は、幾多の複雑で緻密なプロセスに支えられている。
デモに使われる装置の設定は、検証に検証を重ね、特定の物質の特定の現象を測定するためだけに最適化され、最後のスイッチを押す動作だけを残した状態にしてあり、観客はそのスイッチを押すところだけを見る。例えば半導体に関するフォトルミネッセンススペクトルの測定のデモでは、装置のスイッチを押すと、物質にレーザーが照射され、対応したスペクトルが画面上に丁度いい大きさで瞬時に映し出されるように設定されている。しかしながら、物質からスペクトルをディスプレイ上に表示させるためには、レーザーの波長やモード、強度、焦点の位置、サンプルの形状、結晶構造、表面汚れや表面の凹凸、物の侵入長(レーザーが測定に際し物質内に入り込む深さ)さらには機器自体のキャリブレーションの正確性や型番の違いなど、これらの要因一つ一つが、得られるデータに大きな影響を与える。設定がひとつでも狂うと、スペクトルが表示されなくなるだけでなく、物質がレーザーの熱で焼かれてしまって変性してしまう、なんてことまで起こる。言ってみれば「おいしいお弁当を作るために、電子レンジで温めモードでチンするだけ」の状態にするまでに、電子レンジ自体の細かな設定、電磁波の強度、テーブルの回転速度などを隅々まで設定し、チンをする対象のお弁当の材料の知識を学ぶ必要がある。さもないと、お弁当のおかずが燃えたり、容器が溶けたりする感じである。そんな中測定デモで、測定結果がパパっと3分もかからず瞬時に出るのは、キユーピーもびっくりの最適化の結果なのだ。
さらに機器分析においては「装置のご機嫌」なんていうものもある。ある日は絶好調でも、翌日はなぜかご機嫌が斜めになり、動作しなくなることもある。結果として「装置ちゃん」がご機嫌を損ねないように、「スイッチを入れる順番とテンポを揃えながら、装置ちゃんに手を合わせて拝む」というルーティンが誕生した。最先端研究で良い結果を得るためのプロセスのひとつは、なんと願掛けのおまじないである。それくらいには、特殊な装置での測定において原因不明な事象が起きると、縋れるものには何でも縋りたくなるものである。ただ、このルーティンを行うことで、測定者である私の精神状態に良い影響を与え、結果として望ましいデータを得られる可能性もあるため、侮れないプロセスだと思っている。
データが測定できたら、いよいよ分析である。しかし、これがまた一筋縄ではいかない。「レンジでチン」に続き「バーコードをピッ」と商品を読み込めば、自動的にレシートに整理されて出てくるように、データが勝手に分析されて、フォントやサイズ、色遣いも完璧な、絵画のように綺麗なグラフにまとまって出てくるわけではない。物質の分析に利用するアルゴリズムは、特定の物質の特定の効果を対象としてチューニングするため、測定と同様に現象の原理と条件を理解した上での最適化が必要となる。また複雑な計算を含んだ理論値を出すためのシミュレーションには、物理的な理論のみならず、スーパーコンピューターのGPUの性能や個数という計算リソースまで気にする必要がある。さらに統計的な有意さや、個体差の程度などを気にする必要があれば、分析はより困難を極める。
そしてそんな多くの条件のうち、少しでも変化があると違う専門性になる。例えば、測定や分析をする装置は同じでも、目的の物質が半導体から金属に変わることや、異なる現象を対象にする場合には、別の専門知識が必要になる。日々色んなものを電子レンジで温めている我々にとっては「この物質が測れるなら、この物質も測れるでしょ。色も形も、なんとなく似ているし」と感じる気持ちは分かる。しかしながら「鶏の唐揚げ弁当がレンジでチンできるのだから、たらこスパゲッティもできるでしょ」は通用しない。言ってみれば、電子レンジの原理や構造に加え、鶏の唐揚げ弁当や、たらこスパゲッティの組成や配置について詳しく知らない限り、正確に温めることは難しいようなものだ。
たかが分析、されど分析である。機器分析の測定デモでは、レンジでチン程度の気軽さを感じ、データ分析の発表では、さらっと綺麗なグラフが紹介される一方で、それらの測定と分析に背後には、幾多の試行錯誤と汗と涙の結晶の上に成り立っている。そんな背景を、本記事を通じてレンジでチン程度の気軽さで味わっていただければ、分析に関わる者としては大変嬉しい限りである。(1995文字)
エッセイコンテストに関する考察:
さて、エッセイコンテストについてはいろいろありますが、審査員の名前が書いてあるものは多いものの「選考方法」が書いてあるものを発見しました。
審査と表彰
審査は文学的に優れていることが優先ではないので、主に分析産業人ネットの会員から審査員を選んで審査を行います。応募された作品に番号を付与して応募者が誰かがわからないようにして審査をします。審査項目は主題設定、構想力、創造性、表現力、文章力の5項目についてで4点満点で行い合計点が持ち点となります。また点数の他に全体の評価についても4段階の評価を審査員が行います。この集計結果を基に選考委員会で各賞を決定します。
要するに、客観的な項目をレーダーチャートのようにして点数を付けてその評価を基に決定をする、とのことです。
エッセイという主観的なものに客観的なスコアを付けていくようです。
審査員の話
更に審査員の方の話を伺いました。
「構想が面白いのがいい」
「すんなり入ってくるやつがいい」
「読みやすいやつがいい」
要するに「エンタメ要素が強く、感情の揺れ動きを正直に書いた方が受けがいい様子であった。
関連してこういう選考が関わるものに対して色々検索をしてみた。
コンテスト選考通過のポイントとは?
たくさんの応募があるコンテストで選考を通過するには、いくつかのポイントがあります。このポイントをしっかり押さえておくと、結果につながる可能性は高くなるはずです。ジャンル選びを間違えない
エンターテインメント小説を募集しているコンテストに純文学で応募するのは、ポップアイドルのオーディションに、歌唱力で勝負したい演歌歌手希望者が応募するようなものです。本気でコンテストで実績を作りたいなら、自分の書きたい小説はどんなジャンルに属し、それにふさわしいコンテストはどんなものがあるのか、まず「マーケティング」から始めましょう。
受賞作の傾向と選考委員の好みを研究
応募してみたい賞がいくつか絞れたら、過去の受賞作品を研究しましょう。分野・テーマなど、賞ごとに何らかの特徴が見えてくるはずです。また、多くの賞では選考委員の選評も公開されています。選考委員各自の好みを知ることは、「コンテストで結果を出す」という観点でとても重要です。
募集要項を守る
少しでも応募規定を間違えてしまうと、「この応募者は応募規定をしっかり読まずに応募している」と判断され、選考に残ることまずないでしょう。https://www.gentosha-book.com/method/novel/tips4passing_publisher_contest/
多くは当たり前なことが書いてありますが、受賞作の傾向と対策というのは、こういったコンテストでも「過去問は大事」ということなのでしょう。
人工知能 ChatGPTによる回答
例によってChatGPTにも聞いてみました。以下回答です。
Q. エッセイコンテストの選考方法を考察しています。一般的なエッセイコンテストの選考プロセスを教えてください。
A. エッセイコンテストの選考プロセスは、コンテストによって異なりますが、一般的なプロセスは以下のステップで構成されています。
1. **募集と応募の段階**: コンテストの募集が開始され、テーマやルール、締め切りが公表されます。応募者は指定されたテーマや形式に沿ってエッセイを執筆し、指定された方法で応募します。
2. **初期選考**: 応募されたエッセイの中から、基本的なルールやテーマへの適合性、原則としての品質を満たす作品が選ばれます。この段階では、文法的な正確さや表現の明瞭さなどの基本的な要素がチェックされることが多いです。
3. **詳細審査**: 初期選考を通過したエッセイは、より詳細な審査を受けます。この段階では、内容の深み、独創性、テーマへの取り組み方、スタイルや表現力などが評価されます。審査員は専門家や文学者など、分野に精通した人々で構成されることが一般的です。
4. **最終選考と表彰**: 最終選考では、最も優れた作品が選ばれ、賞や表彰が行われます。場合によっては、最終候補作品の中から公開投票によって受賞作が決定されることもあります。
5. **フィードバックと公開**: 受賞作品は公開され、場合によっては審査員からのフィードバックが提供されることがあります。これにより、参加者は自身の作品を振り返り、今後の執筆活動に役立てることができます。
選考プロセスは、コンテストの目的や規模、主催者の方針によって変わることがありますので、特定のコンテストに参加する際は、そのコンテストの具体的なルールやプロセスを確認することが重要です。
プロセス自体は1から5まで標準的に思いますが、最重要なのは3. 詳細審査でしょう。さらに細かく聞いてみました。
Q. ありがとうございます。特に「3. 詳細審査」のプロセスを教えてください。文章は千差万別かと思いますが、どのようにして順位を付けるのですか?
A. 「詳細審査」のプロセスでは、一般的に以下のような方法でエッセイの順位付けが行われます。
1. **評価基準の設定**: 審査員は、コンテストのテーマや目的に合わせて具体的な評価基準を設定します。これには独創性、主題の扱い方、論理的な構成、言語の適切さや表現力などが含まれることが多いです。
2. **個別評価の実施**: 審査員は各エッセイを個別に読み、設定された評価基準に基づいて採点します。この際、審査員ごとに異なる視点や専門知識が反映されることもあり、多様な評価がなされることが一般的です。
3. **集計と討議**: 個別の採点結果を集計し、上位に位置するエッセイを選定します。場合によっては審査員間での討議が行われ、各エッセイの長所や短所について意見交換がされることもあります。
4. **順位付けの決定**: 討議を通じて、最終的な順位付けが決定されます。このプロセスでは、審査員全員の合意を得ることが重要であり、時には多数決や調整が必要になることもあります。
5. **透明性と公正性の確保**: 審査プロセスの透明性と公正性を確保するために、審査基準やプロセスについて公開されることもあります。これにより、参加者や一般の人々が審査の過程を理解し、結果に対する信頼感を持つことができます。
エッセイの内容が千差万別であるため、審査員はそれぞれの作品の独自性やテーマへの取り組み方を重視し、個々のエッセイが持つ特徴を公正に評価することが求められます。また、複数の審査員が関わることで、一人の審査員の主観に偏らないような結果が得られるようになっています。
もうちょっと聞いてみましょう。こういう風にやり取りしている間にじぴちゃん(ChatGPTをじぴちゃんと呼んでいます)と仲良くなっていってしまっています。
Q ありがとうございます。特に「2. 個別評価」についてどのように点数を付けるのですか?難しいと思いますが、具体例を付けて説明してください。
A 「個別評価」のプロセスで点数を付ける際、通常は事前に定められた評価基準に基づいて採点します。以下に具体例を挙げて説明します。
例えば、エッセイコンテストで次の5つの基準が設定されているとします。
1. **独創性** (20点満点): エッセイのオリジナリティ、新しい視点やアイデアの提示。
2. **テーマへの適合性** (20点満点): コンテストのテーマをどの程度理解し、適切に取り扱っているか。
3. **構成と論理性** (20点満点): エッセイの構造、論理的な流れ、明確な結論。
4. **表現力** (20点満点): 言語の使用、文体、感情やイメージの伝達の仕方。
5. **影響力または説得力** (20点満点): 読者に与える影響、考えを伝える力。合計で100点満点の採点基準が設定されているとします。審査員は以下のように各基準に対して点数を付けます。
– **エッセイA**:
– 独創性: 15点(既存のアイデアに新しい視点を加えている)
– テーマへの適合性: 18点(テーマに非常によく合致している)
– 構成と論理性: 12点(全体の流れは良いが、いくつかの論理的飛躍がある)
– 表現力: 16点(言葉遣いが上手く、感情がよく伝わる)
– 影響力または説得力: 14点(一部の部分が説得力に欠ける)– **エッセイB**:
– 独創性: 18点(非常にユニークなアプローチ)
– テーマへの適合性: 15点(テーマには合っているが、少し脱線している部分がある)
– 構成と論理性: 18点(論理的で、明確な構成)
– 表現力: 15点(一貫性はあるが、やや平凡な言葉遣い)
– 影響力または説得力: 17点(読者に強い印象を与える)このように、各審査員はエッセイごとに基準に従って点数を付け、その合計点でエッセイの質を評価します。最終的にはこれらの点数を合計して、エッセイの順位を決定します。採点は主観的な要素を含むため、複数の審査員が独立して評価し、その平均点や合計点で判断されることが一般的です。
とまあ、どこまで行っても審査員の主観のようではありますが、なんとなく「どういうエッセイを書くと受賞しやすいか?」は分かる気がしますね。
自分の落選作品をChatGPTに原因分析を依頼
さて、今回は通ったものの、色々出すといろいろ落とされます。
ここで、落とされた内容の分析をChatGPTに依頼しました。するとこんな回答が。
「感情的な表現の深みが十分でない可能性」
要はロジハラ的で感情が揺さぶられないということでしょう。。。
終わりに
そして審査員も人間なので、論文のような客観性だけでなく「主観の感情が動くかどうか?」が大事になるようです。
他の部分はレポートや論文とほぼ変わらないようなので、エッセイは「レポートや論文に感情の表現を味付け」する感じにすればよいものが出来そうな印象です。
・・・エッセイ自体が受賞目的っていうのとはまた何か違う気もしますが、漫才でも勝てるようにネタを調節するらしいですし、エッセイも「賞レース」と捉えるとこういうのもありな気がしますね。