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公開日:2020年2月27日
更新日:2020年2月27日
新型コロナウィルスの拡散により、多くのイベントが中止になり予定がなくなった方も多いことだろう。また、時間差通勤や自宅待機や、在宅勤務が多くなってきた。
電通社員が新型肺炎感染で5000人在宅勤務、資生堂も8000人出社禁止[新聞ウォッチ]
これにより、集団で何かをする機会は激減したが、時間には通常よりも余裕が出来た人が結構いることだろう。
世の中が暗いニュースばかり。かといって命には代えられない。しかしながら、人間万事塞翁が馬とは言ったもので、こういったある種突然の強制的な「休み」は、後々に振り返ってみれば画期的な発見や発明をもたらすこともあり、キャリアや人生自体を考えるきっかけにもなり得る。
実際に万有引力で知られるアイザック・ニュートンもペストという伝染病が流行った際にケンブリッジ大学が休校になり田舎に帰っている間に、世界的な発見を次々としているため「創造的休暇」と呼ばれている。
「ニュートンの三大業績」とされるものは、いずれもペスト禍を逃れて故郷の田舎に戻っていた18か月間の休暇中になしとげたことであり、すべて25歳ごろまでになされたものである。結局、このわずか1年半ほどの期間にニュートンの主要な業績の発見および証明がなされているため、この期間のことは「驚異の諸年」とも、「創造的休暇」とも呼ばれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アイザック・ニュートン
ニュートンのリンゴの木の前でリンゴ。
今後伸びる分野
さて、何はともあれ突然「暇」になった。かといって、なんとも集まって騒ぐ感じではないし、出かける感じでもない。引きこもる必要がある。何をしようか?気ままに読書でも、もちろん構わない。しかし孤独な作業には明確な目標があったほうがいいだろうし、打算的に考えれば、今後に行きそうな事柄について取り組むのがいいだろう。昨今の情勢を考えると、今後もこういった自宅待機や在宅勤務、パンデミックなどが起きる可能性(今後増えると思っている)、日本と世界のの転換期を備え、なるべく費用対効果が高そうなものを紹介したい。
考える基準
それらを選定する基準は以下になる。
- 1人で出来る部分が多い
- 場所を選ばない
- 今後伸びる可能性が高い
まず、人にあわずに引きこもっているのだから、少なくとも作業は1人で出来なければならない。なるべく場所も選ばないで出来る仕事が望まれる。対象を日本に限る必要もない。
この二つだけを考えると、例えば作家やYoutuber的な人たちも当てはまる。しかしながらそれらは、業界依存というよりも、俗人的な部分や運の要素も強いため、今回はそれらは除外する。
「今後伸びる可能性が高い」という軸を足し、考えることとする。
サイバーセキュリティ
昨今の世の中で「場所を選ばない」と言った場合、「インターネット上で作業が出来る」とほぼ同義である。さてこのインターネット、突き詰めると何をやっているのだろうか?
インターネット上では情報を通信してやり取りしている。情報には公開しているものと公開していないものがあり中には絶対に見られてはいけないものまであるだろう。今後はさらに、この情報と情報のコントロールが非常に大きな意味を持っている。この傾向は今後さらに増すだろう。言い換えればそのデータや機密情報は高い値が付くことになる。そうなると当然、どうにかしてその高く売れる情報を盗みたい等と狙うやつが増える。そうなれば、「高い情報を確実に守る」人も必要になってくる。これが現在インターネット空間・サイバー空間で起きている状況である。この分野がサイバーセキュリティである。個人的にはサイバーセキュリティとハッキングは、シリアスなeスポーツであると思っている。
データサイエンス
インターネット上で出来ればいいのであれば、最近よく言われるデータの解析も同様の理由で大部分はリモートで出来る。今後様々な分野にさらに進出してくるはずである。なお大部分というのは、データの気密性などの理由でインターネットに接続が禁止されていてリモートで出来ないといけない場合などには、現地に行かないといけない。
ソフトウェア開発
コンピュータでも、物理的な配線をしなければいけないインフラストラクチャ―が関係するハードウェアとは対照的に、中身のコードが書ければいいのであるから、ソフトウェア開発も場所を選ばずに行うことが出来る。現地に行かなければいけない場合があっても、理由も上記とほぼ同様である。こちらは固有のマシンからのサクセスが多いんだろうか。
教材・教科書の捜し方
さてそんな込み入った分野、初期投資が必要だろう。と思ったそこのあなた。実際はそんなことはない。
ちなみにサイバーセキュリティもデータサイエンスも、ソフトウェアもツールは有償のものを買わずとも、オープンソース(無料)でいろいろあり、うまくやれば結構なことが出来る。要はタダである。教科書も “Introduction of ~~~ pdf”とか検索すればかなりいいものが無料で手に入る。
探し方は以前こちらにまとめた。
無駄な情報が高く売られている一方で、有用な情報はタダで手に入る時代という話
オンラインでコンテストもいろいろ開催されている。家を出ずに世界とつながっている。
よく耳にするものを張っておく。
セキュリティ:SECCON
データサイエンス:Kaggle
プログラミング:AtCoder
なお上記の各分野は非常に込み入っているので、検索すればいくらでもわかりやすく詳しいサイトが出てくる。そちらを参考いただきたい。
必要なスキル
さて、これらの仕事は、教科書を丸暗記すればできるタイプのものではない。いくつかの基礎的なスキルの組み合わせになる。この基礎的なものは何だろうか?
プログラミング
当然だがインターネット上でスカイプやWebexなどでつなぎ、手動で行うわけではなく、繰り返しや単純作業は、コンピュータに命令してやらせる必要がある。要するにアルゴリズムをプログラムで記述する必要がある。これにはプログラミングのスキルが必要である。
これも無料のサイトがいくらでも出てくる。
受験勉強・教科書の科目的には数学・物理学
なんと学校まで休校になってしまった。
学生に関係して、こういうリモートワークに強い仕事と直接関係する教科を紹介したい。
繰り返しになるが、こういった分野では、表面上の名前や現象を「暗記」してできるタイプのものではない。
さらにプログラムが言われた通りにかけるだけでも、実はあまり価値が無い。重要なのは、内部の構造やアルゴリズムなど根本の部分である。これは分かりやすく言えば数学・物理に直結する。
そもそもインターネットを発明・発展させてきたのが数学者や物理学者が非常に多い。それらの発展分野である計算機科学や電気工学などまで入れるとほぼ全員だろう。
誰がインターネットを発明したのか?」ということでネット黎明期の功労者をGoogleが解説
数学や物理学のアルゴリズムの扱いや、頭の中で実験をして、その後の動きを追う「思考実験」が重要になる。これは物理学でよく出てくる。
覚えればできるものではないので、時間があるときにやってみるのはいかがだろうか?
これも学校を卒業したらチャンスが無いわけではない。ネットで検索すればいくらでも出てくる。空いた時にやってみよう。
英語
「一人で出来る今後伸びる分野」で、まず「英語」を書くと読者に「なーんだ。」とがっかりされる気がしたので、この辺りに紛れ込ませることにした。日本は今後縮小傾向であることは人口から見て間違いない。世界の公用語は英語であることも、もう逃れられない事実である。
特に上記にあげた分野ではわかりやすい無料の教材も英語の方が圧倒的に多い。ものによっては日本語訳でよいものが無かったりもする。
それらも英語で学べば、一石二鳥かもしれない。
英語学習については出尽くしている感じがあるので、詳細は別途検索していただきたい。
終わりに
インターネット上で出来る仕事は、今後は場所も国も選ばず仕事が出来る可能性が高く、パンデミックにも強くなる。その中でもネットワーク、アルゴリズムやコードに関係する分野は、今後伸びていく可能性が高い。急な暇が出来たら手を付けるには丁度いい分野ではないだろうか?