
目次
公開日:2016年2月12日
更新日:2019年7月21日
はじめに
世界の多くの国で親しまれているドラフツ(チェッカー)は、ボードゲームであるため、様々なルールや様式があります。特に最も競技人口の多いインターナショナル・ドラフツの大会経験を元にここにまとめます。
用意するもの
用意するもの、大会で用意されているものは次の3つです。
- ドラフツセット
- チェスクロック
- 棋譜・ボールペン
ドラフツセット
ドラフツセットは、種目にもよりますが、International Draughtsと呼ばれる最も一般的なものでは、白駒20個、黒駒20個と10×10のチェッカー柄のボードです。
ボードは黒い部分だけを用い、ボードの場所を示すため、白手側から見て左上から左から右に1から右下の50まで順番に番号がふられています。
チェス・クロック
時計は、チェスクロックと呼ばれる特殊なものを用います。こちらです。上にシーソーのようなものがついています。
自分がボタンを押すと、相手側の時間が動き出し、相手がボタンを押すと自分側の次官が動きます。これにより、自分の番が終わり、自分の時間を止め、相手の持ち時間を減らします。
アナログのものや、時計が出現する前は砂時計を利用していたようですが、本質的には同じです。相手のターンに相手の時間が減るように設定します。
実際に使っている動画がこちら。チェスのものと同様なので、動画がたくさんあるチェスから。
Carlsen-Nakamura at the FIDE World Blitz Championship 2014
さらに参考までに、ラピッド競技の2倍速はこちら。
Magnus Carlsen vs Hikaru Nakamura Blitz on FAST FORWARD
棋譜・ボールペン
試合中は、自分で試合を記録しつつ、始めます。以下のような棋譜が配られます。これは宅急便の紙のように2枚になっています。
これ何語なんでしょう?と思ってGoogle Translateさんに突っ込んだところ、ラトビア語であることが判明しました。
上段には大会名を書きます。
Baltie:White 先手の名前
Melnie:Black 後手の名前
Datums:Date 日付
Karta:カード これよくわかりませんが、ラウンド名を書いて、といわれました。
Partija:これは分かりませんが、あけておいて問題ないといわれました。
上記を埋めて開始を待ちます。
試合開始
アナウンスがあった後、相手と握手をし、クロックをスタートさせます。
ゲーム進行
白が先手です。先手がまず駒を動かします。その後正式には駒を動かした手で、クロックのボタンを押し、ターンを終えます。その際動かした駒の動きを棋譜のBaltie 1の欄に埋めます。例えば、白駒をマス目番号32から28に動かした場合、32 28を記述します。32-28、3228、32・28などいろんなバリエーションがあるようですが、分かればいいのでしょうか?
次に後手の黒が同様に駒を動かします。同様に記録します。
リガオープンでの写真。大きい会場で、同様の卓が並びパラレルで試合が行われている。
これを繰り返します。
この競技は相手の駒取れるときは取らないといけないので、記述が省略されることがあります。その際は、その欄に「-」や「×17(最終的に到着するマス目番号)」と書くようです。
この時、自分の駒を動かすまではクロックに触れてはいません。また、一度駒を触った場合は、その駒を動かさないといけません。
今回はうっかり触ってしまい、ものすごく酷い手を打たされる羽目になりました。
ちなみに時間中に経ち歩いても問題ありません。
ゲーム終了
勝敗がついたとき、または、負けると分かって投了したとき、ゲームが終了します。
棋譜の残りの欄に記入をします。
Resultats:Result 試合結果。白が勝ちの場合2-0、引き分けの場合、1-1、黒が勝ちの場合0-2と、先手後手の棋譜に関わらず記述します。
laiks:time チェスクロックに表示されている残り時間を記述します。
最後に棋譜にサインをし、相手のサインも貰います。これを集計台に持っていけば完了です。
ルール・会場など
トーナメント形式
ドラフツの試合は主にスイス式トーナメントという形式が用いられます。
スイス式トーナメントは勝ち残り式ではなく、すべての参加者が一定数の試合を行う形式を用いている。試合自体は複数回行われるがすべての競技者(チーム、個人)がその他のすべての競技者と試合をするわけではなく、総当たり戦に比べて試合数が大幅に削減される。競技者は1ラウンドに1人(1チーム)とのみ対戦する。対戦相手の決定はできる限り同程度の力量を持つ競技者同士が対戦し、同じ相手と二度以上対戦することがないように予め作られた規則に沿って行われる。全ラウンド終了後に最も多くの得点を集めたものが勝者となる。
とまあ、簡単に言えば、勝ち同士と負け同士等で勝ち取った勝ち点が似たもの同士が試合をしていく形式です。7ラウンドの場合は、これを7回繰り返します。
似たような相手同士の組み合わせは、コンピュータによるドローで決まります。
トーナメントボードに次の対戦相手や現在のランキングなどは掲示されますのでそれを参照して自分の場号の席に座ります。
時間
大会によって持ち時間が違います。今回私が参加したリガオープンでは、
「60min+30sec.」となっています。
この意味するところは、各自持ち時間は60分で、1手ごとに30秒が与えられています。よって一瞬で指せば、30秒時間が増えます。
非常に力の差があれば、最後の持ち時間が60分よりも多くなっていることもあります。
終わりに
最初は結構戸惑いますし、スマホアプリでやるのとは全く勝手が違いますが、なれてしまえば問題ありません。
jcda.dip.jp