公開日:2016年11月1日
更新日:2019年7月15日
こんにちは。篠原肇(@HajimeShinohara)です。前回、こちらの記事で、人種差別の対策・対処法をまとめました。もちろん、関わっているのはごく一部であるとはいえ、こういった問題は依然として存在しているのは事実です。
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今回は、人種差別の対策・対処以前に、それを未然に防ぐ方法を考えたいと思います。想定しているのは、留学やグローバル企業など、比較的多くの課外活動や仕事以外の環境がある状態です。仕事場だけではないところを見ています。
私の考えでは、人種差別・国籍差別は根本的に「こいつは相手にする価値がない」と、心のどこかで相手に思われると起きる。
ということは、相手から「こいつは丁重に扱った方がいい」と思われれば、そもそも人種差別に遭うことはないでしょう。では、どうやれば丁重に扱った方がいいと思われるのでしょうか?
おそらく「実力」を示せば問題ありません。多くの人がかかわるであろう仕事などで実力を示すのは、比較的時間がかかり、しかもその仕事のパフォーマンスを示す際に、日本人の苦手な英語で説明を行うためどうしても実力を低く見積もられがちになる。
では何をすればいいのか?言語を使わないで実力が示せるものは、一見しただけで実力が分かる、芸術やスポーツなどでしょう。
ただし、その集団で人並みよりちょっとうまいくらいだと、まだ厳しいかもしれない。集団内でぶっちぎりで次元違いにトップというのが理想だが、メンバー内でトップ3くらいでもまだまだいけそうである。要するにグループ内の要人の一人と認められれば、差別なんてもうどこかへ行ってしまう。
なんでもそうだが、あなたがスターティングメンバーにするということは、彼らのうちの1人が外れることを意味している。よって、ぎりぎりメンバーになるかならないかレベルだと、上記のような「人種差別バイアス」も無意識の間に出てきてしまい、結局辛酸をなめることになる可能性もあるだろうが、真っ先に決まるくらいの飛びぬけいれば、だれも文句は言わないだろう。特に仕事能力のような、客観的に見て主観の割合が多いものよりも、音楽・芸術・スポーツのような見れば明らかなものであれば、実力の否定のしようがなくなるだろう。(実力が拮抗してくるその道のプロはまた事情が違うかもしれない。すいませんが、ここはわかりません。)
例えば、こんな状況を考えてみよう。
あなたバイオリンを幼少期からずっと続けてきていて、相当な才能の持ち主。就職した社内のオーケストラの見学に行ってみた。最初は「あー、アジア人ね。」みたいな目でみられていた。
でもいざ楽器を弾けば周りが目を丸くするレベル。わらわら人がやってきてひたすら質問が飛んでくる。
結局あだ名は「マエストロ」になった。
こうなると、このまま仕事などの他の話をしても、あなたは彼らの中では「バイオリンの上手い彼」のイメージのまま。この状態だと、彼らからも少なくとも「こいつの話は聞かなくてもいい」とは思われていないため、比較的よく聞いてくれることでしょう。
実際私は、こちらでは、コーフボールとネットボールというバスケットボールの派生競技に取り組んでいる。客観的に見て、グループ内では1,2位を争うような位置にいる。最初は冷たく感じていたが、実力が分かってくると、もう試合に行くだけで「今日も来てくれたの?ありがとう!」という対応で、人種差別などどこ吹く風。もはや全くアウェイ感は全くない。
実際に彼らとの食事会・飲み会の際に、中国人ご一行が現れた際には、
グループ「全くまた中国人か。固まってて。なんでアジア人はああやって固まってばっかりなんだ。なんだかイライラする」
と私がいるところで話していた。
私「あ、確かに。すいませんね。」
グループ「あ、そうかお前もアジア人だったか。あなたは入ってないよ」
と、普段から一目置かれているグループでは、国籍や人種すら忘れられているようである。ただこれも、スポーツや楽器をやったことがないレベルでグループに参加しようとしても、やはりなかなか相手にはしてもらえていなかっただろう。
「敵を知り己を知らば百選危うからず」というように、グループの能力を超えられるレベルの自分の得意分野で勝負していけば、人種差別は未然に防げるだろう。
このような環境がなくても、他にもやたらサッカーに詳しいなどの知識でも行ける部分はありそうです。なんでもいいから「この人はただものじゃない。」と思われるようにするのが差別を避けるコツなのではないか、と感じている今日この頃である。