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公開日:2019年9月29日
更新日:2020年6月3日
クレジットカードは非常に便利で、特に海外に行く機会が多い場合には、海外キャッシング枠とともに非常に重宝する。
しかし、クレジットカードは、スキミングなどでデータを抜かれて不正使用されることがままある。保険がかかっているので、不正使用されても、一定の条件下では戻ってくるのが常である。
この対応が、以前の法人設立の「ホウジン・クエスト」並みになるとは、この時は知る由もなかった。特に海外からの申請では。
1日目
クレジットカードの不正使用がされた。”BILL ITUNES COM” から複数回に分けて数万円の利用。実際にi tuneをほぼ使わない私は、不正使用を確信し、以下のサイトなどを参考に履歴を調べ、カード会社のサイトを調べた。
クレジットカードがITUNESストアで不正利用された(;´Д`)
BILL ITUNES COMからクレジットカードを不正利用されたが、すぐ返金してもらった話
要するに、”BILL ITUNES COM”からの不正使用は割とよくあるようで、返金してもらえ、カードは再発行され郵送される。
よく調べると、60日以内なら不正使用の場合も戻ってくるので、出張が終わってからにしようか?と頭をよぎったが、不正使用日と出張が終了60日を超えているので、この戦法はダメであることが分かった。
さらに、どうやらウェブサイトでは、対応ができないらしい。上記のページにも書かれているように、カード会社へ電話をした。
カード会社「ただいまのお時間は自動音声でのご対応となっております。午前9時から午後17時までにおかけ直しください。」
日本とデンマークの時差は7時間。よって日本の17時はデンマークは10時。むろん仕事もある。やることが多い午前中の10時前までに電話をしないといけない。クレカ・クエスト第一日目は、最初の電話すら掛けられなかった。翌日出直すことにする。
・・・実際にすぐに寝たわけではない。デンマークと言えども平日朝10時から寝ることはない。
2日目
時間を見極め、午前10時より前に余裕をもって電話をする。
とりあえずつながりはする。内容は違うが依然として自動音声である。例のあれである。
「ご利用内容のご紹介は1を。」
「各種サービスは2を。」
・・・(ていうか雰囲気だけね。中身もう覚えてないし。)
これ国際電話なのだが。ただ待たされてるのに高くなるじゃないか。
どうにかこうにか人間にかかった。
私「カードが不正に利用されておりました。」
オペレーター(以下「オ」)「カード番号をお教えください。」
私「〇〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」です。
オ「では、お名前をお教えください。
私「しのはらはじめです。」
オ「ご住所をお教えください。」
私「住所は(〇〇〇)です。」
オ「生年月日は?」
私「〇〇〇」です。
オ「本人確認が取れました。」
オ「どのような不正利用でしょうか?」
私「BILL ITUNES COMというのが、何件かありますが、i tunesの履歴を確認したところ、全く使っていないことがわかりました。」
オ「ご本人様で履歴を確認されたということでしょうか。」
私「はい。」
オ「ご本人様で確認ではなく、アップルのほうへ電話で確認が必要となります。」
私「使っていないんですが…?」
オ「それでも、ご本人様ご自身での確認ではなく、アップルのほうへ電話で確認が必要となります。」
私「使っていないことが明らかなのにですか…?」
オ「アップルのほうでの電話での確認が必要となります。」
オペレーターの方が、何を言っても例外は認めない感じが、例によって町人Aのようであった。
町人A「ようこそ、ここはクレカの町だよ。」
町人A「ようこそ、ここはクレカの町だよ。」
町人A「ようこそ、ここはクレカの町だよ。」
画像はこちらから作製 (http://www.24th.jp/test/gd_test.php)
やれやれである。何度も言うが、これは国際電話である。
一方Appleのサイトからは、自分から電話をかける方式ではなくフォームを埋めるであった。
しかし電話番号は、デンマークのものしか指定できず。やむなくどうにか設定していたデンマークのプリペイドSIMの番号を入れた。
入力後すぐに、海外からAppleと思われる電話があった。しかし出るにも、デンマーク語で何かを言われすぐに切れた。どうやらデンマークのSIM, 国際電話には対応していないらしい。
しかしこのアップルの電話方式、かからなかったら数分後に再度かけなおす方式のようである。出ることができない番号から連続で何回もかかってくる。しかも止め方がわからない。不気味じゃないか。止められない国際電話。電話からこの子出てきちゃうよ。
くーる、きっとくるー、きっとくるー。
らちが明かずに、電話以外にも選べたQ&Aチャットに切り替える。
チャットでの対応は早かった。
なぜチャットで連絡しているのか?など、格安SIMの番号を入れたら、海外からは電話が掛けられない状況になっているらしく、チャットにした旨など今までの経緯を伝えた。
問題を伝えると、何やら調べているようであるった。数分間があくことがよくあった。(・・・国際電話なんだけどな。)
その後必要だということで、電話番号を教えると、さっきとまた同じ番号から電話がかかってきた。案の定出ることはできない。
くーるー、きっとくるー、きっとくるー 。Take2.
私「あのー、だからダメなんですって。」
チャットオペレーター(以下「チ」)「かからなかったから、都合がいい時間でリスケしましょう。」
私「だーかーらー!国際電話だと出られないんだってー!自分からかけるから番号をください。」
チ「では、この番号にかけてください。(デンマークの電話番号)」
ここにかけてみる。
おお、アナウンスがかかった。要件のカテゴリの番号を押していくやつである。
・・・デンマーク語である。英語への切り替え方がわからない。
こちらと同じ状況である。
仕事での海外出張には幾多の予期せぬトラブルやトラップが潜んでいるという話
ハジメは心の奥底に深い傷を負った。
再度Q&Aのチャットへ。
私「あのー、電話かけたらデンマークでして。英語への切り替え方もわからないんですが?」
チ「何語がいい?」
私「英語か日本語。少なくとも無料の分は日本で使っていた。」
チ「ではこちらに。(日本の番号)。」
・・・この日本の番号、日本語でAppleのサポートググると上位に出るやつではないか。ここにかけてもいいのであれば、フォームをデンマーク語で固定にしないでくれ。最初からここに電話していたのに。
たらい回しにされること何回目だろう。
前に進むのにボールを前に投げられないで横に回していって、たまに蹴っ飛ばしたりまでして動き回る流行りラグビーの、あの楕円形のボールの気持ちがわかった気がする。
とりあえず、つながった。やっとである。
「今日こそは!」と用意周到に始めたのにもかかわらず、すでに10時を超えている。
Apple日本語版のサポートは、なかなかに優しい。
いや、今までの対応のせいで通常の対応が易しく聞こえるだけなのか。もう何でもよい。
例によってテンプレと化しているが、事情を伝えると、
「調べた後かけなおします」
とのお申し出
「いや、それが国際電話受け付けていないっぽいですよね。」
急遽そのままホールドで調べてくれた。なんという臨機応変な対応。町人B「ようこそ。ここはリンゴの町だよ。」とかは始まる気配はなかった。
そうはいっても、例によって国際電話で電子音が流れ続けるというヤバ勿体ない回線の使い方。ずぶずぶなことに変わりはない。
結局「不正使用だと思われる状況」であることが認められた。
オ「ただし、これ以外も使われている可能性があるのでカード会社に問い合わせの上、再度こちらへご連絡ください。」
未だに続く、たらいまわしである。ただ、パスを横に回しているだけではなく、サッカーでの縦パスが通ったような感じはする。
オ「この12桁の番号をおっしゃっていただければ、この続きから始めることが出来ます。」
おおさすが。「ふっかつのじゅもん」で、過ぎ去りし時を求めることができてしまうようである。
「ドラクエ11」で復活した「ふっかつのじゅもん」を試すとどうなるのか?
いや、でももう17時過ぎている。
宿屋のBGM。
3日目・4日目
この日は週末である。自動音声の説明だと、年末以外はやっているらしいので、ひょっとするとかかるのかもしれないが、私のほうに気力がない。
HP MP回復のため一回休み。といっても宿屋に泊まると全快になるはずだし、あのゲーム曜日の概念無かったよね。細かいことは気にしない。
宿屋のBGM。
リンク省略。脳内の再生お願いしたい。
5日目
週末が明け、月曜日。三度目の挑戦である。
オ「カード番号は(本人・住所・生年月日などなど。)」
ハジメは、「シメイ・ジュウショ・セイネンガッピ」を唱えた!効果は抜群だ。
オ「少々お待ちください。あの、今日は祝日でして。担当のものがいないので、お手数ですが後日・・・。」
三度目の正直とはいかなかった。
宿屋BGM略。
6日目
もう、朝カード会社に電話をするのが鬱になる位にはトラウマであった。
どうにか精神を保ち四度目の挑戦をする。
オ「カード番号をお願いします。」
私「〇〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇」
オ「ご本人様お名前は?」
私「しのはらはじめです。住所は(〇〇)で、生年月日は(○○)です。」
毎度毎度聞かれるので、「ジュウショ・シメイ・セイネンガッピ」を唱え、先回りして全部先にこたえてしまった。
オ「はい、では、ご自宅のお電話番号をお願いします。」
・・・ああそうか本人認証だから、上の情報は用意をされていると思われ、さらにほかの事を聞かれたのか。全く聞かれること以外を答えるものじゃない。受験勉強でもやったじゃないか「傍線部を20字以上30字以内で要約しなさい」と言われたら、内容に関係ないことは書いてはいけないと。
もう何でも聞いてくるので、そろそろ「好きなペットの名前」とか「ラッキーカラー」とか「母方の旧姓」とか「小学校5年生で行った修学旅行の地域」とか聞いてきそうな雰囲気すらある。
オ「では、アップルから確認が取れたということで、こちら対応いたします。」
ついに確認が取れた!無事に返金されるらしい!これはクリアか!?
人生でのイベントはあっけないものが多く、終わるときは、今までのものが「あれ?」と思うほど、拍子抜けで終わるものである。
めでたし、めでたし。
かと思いきや。
オ「不正使用が発覚した場合には、カードの停止と再発行にご協力をいただいているんですが、よろしいでしょうか?」
私「よろしいでしょうか?といいますと?」
オ「不正に利用されている現状のカードを停止し、カードを再発行いたします。」
私「ご協力よろしいでしょうか?というか拒否権ないんですか?」
オ「といいますと?」
私「カードの再発行に応じないとか、再発行を数日後に伸ばすとかです。カードが止まっている間に現金が必要になりますので。」
オ「この電話が終わった直後に現在のカードが停止となり、再発行になります。」
私「それって、『よろしいですか?』と聞いている割には、協力する、協力しないではなくて、強制なんですか?」
オ「申し訳ございませんが、そうなります。」
私「わかりました。カードは先ほど申し上げた住所に届きますか?」
オ「はい、そうなります。」
私「私デンマークにおりまして、代わりにこちらのホテルにカードを郵送いただけないでしょうか?」
オ「少々お待ちください・・・。」
(3分くらいの長いお待ちください。だから、これは国際電話なのだが。)
オ「残念ながら、ホテルへは郵送できません。」
私「わかりました。はい。」
もう何もリクエストする気力もMPもHPもない。
どうにかカードの再発行の手続きが完了したようである。デンマークでは2030年に現金支払いを停止する予定である。私は突如として、この世界でも高度に発展したキャッシュレス社会でカードを持てず、そんなに多くない残りの現金で資金繰りをする生活を送ることとなってしまった。
「クレカ・クエスト」。大変後味の悪い幕切れである。第二章が勝手に始まりそうな今日この頃である。
なお、「ふっかつのじゅもん」と使って連絡を取ったアップルは確認が取れ次第すぐに対応いただけた。もうあんまり覚えていない。あとでわかったが、カード会社の方は、カード番号が「ふっかつのじゅもん」に対応しているようである。