公開日:2016年9月20日
更新日:2020年10月15日
学術系の国際会議・国際会議では、世界各国の機関からの参加があります。当たり前といえば当たり前ですが、日本の大学機関からの出席者もいます。今回個人的に参加した国際会議でも同様でした。
昼食や一部夕食は、会議会場では用意されずに、各自近くの商店街やレストランで各自食事をとる形式でした。コーヒーブレイクは、一口サイズの食事が用意され、立食形式でした。
たとえば、歓迎のレセプションはこんな感じの料理がひたすら並んでいた。
私はせっかくかなり近い分野で取り組んでいる人々が一堂に会するような機会はめったにないと考え、なるべく多くの人と話すために、積極的に各国の方々、もともと知っていた人はもちろんのこと、チェアー(世話人の先生、往々にして世界的に著名な方)、ノーベル賞候補の先生などにも積極的に話しかけ、毎回違う人々と食事に行く目標を立てて実行しました。
この間、地元の台湾人が知るようなお店や、イスラム系の方々と、ハラールのレストランにも連れて行っていただきました。
世界各国から様々な人種の方々が参加しており、中には話しかけづらい雰囲気を出しているグループもありました。私は日本人なのにもかかわらず、最も話しかけづらい集団は、日本人グループでした。
国際会議では豪華なディナーを行う場合もあります。今回は中華料理であったこともあり中華の10人掛けの円卓。やはり、日本人ばかりのテーブルや中国系ばかりのテーブルもちらほら見かけた。
コーヒーブレイクでも、つまらなそうに壁際に置物のように、佇んでいるのは決まって日本人だった印象。たまに固まっているのも日本人が入りにくいオーラ全開で日本語で会話しているのが散見されました。
確かに対外的に報告する書類としての実績の面では、単に会場に海外からはるばる行って発表を丸暗記で発表したものや、ポスターを張ってその場にいない「張り逃げ」をしたものと、積極的に話しかけ、集まった人々と交流を広め、連絡先を何件も交換した場合では、実績上は全く同じです。
しかしながら、国際会議で重要なのは、普段論文などでしか見ないような人や、(潜在的な)共同研究者と、直接話すところにあると、個人的には考えています。
私は日本人嫌いでも、あえて避けていたわけでも全くないですが、結局日本人と話したのは数人にとどまってしまいました。特に日本人学生とは話したのは、1,2人のみとなった。
実際にコーヒーを入れているときに目が合った日本人に”hi!”みたいに話しかけたら日本の大学の先生と思われる方からも「お前、誰?」っていう視線を送られ、すぐにどこかへ行ってしまったため、もう半ば日本人の人たちと話すのはあきらめた現状もあります。
外国の方からも「日本人ってなんであんなに固まっているの?何しに来たの?君も日本人でしょ?なんでだかわかる?」と聞かれ、表立っては言われないものの、裏ではかなり軽蔑の視線を送られている事実もある。
聞くところによると、この日本人が内輪で固まったり、立食パーティで置物状態になるのは、物性物理学の国際会議に限ったことではないようです。
私自身が学生で、立場ではないものの、今後日本が世界と戦っていくことが今まで以上に重要になっていく状況で、日本人が本当に世界でやっていけるのかという不安を具体的に目の当たりにすることとなった。