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公開日:2016年3月30日
更新日:2019年7月15日
大学院生というと、どういう生活を想像するだろうか?特に理工系では一年中研究室に缶詰のイメージだろうか?日本の大学ではそうかもしれないが、オックスブリッジではちょっと事情が違う。今回はこれについて説明したい。
オックスブリッジの学期制度
ケンブリッジ大学(オックスフォード大学も)、特に学部生は3学期制を取っており、夏休み期間も入れると、丁度4分割できるようになっている。大学院生は、コースワーク主体ではない、特にPhDなどのプロジェクトや研究主体のコースではあまり影響されない。しかし学部やコースによらず開催される部活やイベントは、学部生のスケジュールにそって行われる。これにより、大学院生の生活には少し変わった事が起きる。
各学期は8週間のみ
各学期は8週間しかない。ケンブリッジ大学の第一学期はMichaelmas Term、第二学期はLent Term、第三学期はEaster Termと呼ばれ、それぞれ8週間しかない。(オックスフォード大学では第一学期はMichaelmas Term、第二学期は、Hilary term、第三学期はTrinity Termと言うらしい。)第三学期の後、6月下旬から10月初旬までは夏休み期間である。学部生が卒業論文に相当するプロジェクトを行うのは学期内である。授業の担当なども全て学期内でのみ行われる。教員の講義などももちろん学期内、特に第一、第二学期でほぼ完結する。第三学期のEaster Termは、学部生の試験学期であることもあり、ほぼ部活動をはじめとした課外活動が行われなくなる。ディナーなども一部例外を除き学期中のみ。
第三学期の試験明けにはメイウィークという打ち上げお祭り騒ぎウィークがある。メイボールなどもこの時期に行われる。第三学期にはイベントもたまに行われるが、第一、第二学期ほどではない。
図で説明したい。この図は、カレンダーに対し、各学期と行事を示す。
研究所は通年で行われる
これに対し、学部や研究グループはクリスマス休暇シーズンなどを除き、通年で行われる。場合によっては、学部から「大学院生はEaster Termからが本番ですので、夏休みだといって張り切り過ぎないようにしましょう」といった通告まで来る。要するに大学院生は、課外活動の類は学期期間中にのみ行われ、それ以外では、研究以外にはやることがなくなるような状況である。よって研究だけをグラフに描くとこんな感じになる。
半年は学生・半年は研究員
こうなると、半年は学部学生と部活やパーティが頻繁に入るいわば「学生」シーズン隣、半分は、学部の研究以外ほぼすることがなくなるという「研究」シーズンとなる。後者のシーズンでは、学部生のプロジェクトの学生も来なくなるため、もはや大学院生とポスドクやフェロー・教員さえも、肩書きと上司部下の差以外、大差がなくなる。いわば、半分学生で、半分研究員の形相。ただ、Michaelmas と Lentでも研究の手を抜くというわけではない。イベントは大体夜か週末に行われるので、要するに学期外では息抜き系のイベントがなくなる傾向にある、というだけである。
尚、大学院生でもコースワーク中心のMBAなどのマスターコースの学生は、学部生と似たようなスケジュールです。そもそも学期のみを計算すると1年コースだと実質9ヶ月しかないので、10月-6月で修了となります。
こちらでもこの話はしています。(むしろ発表スライドから上記のグラフは作成しました。)