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公開日:2017年1月25日
更新日:2019年7月15日
イギリス国内でも、違う地域に行くと、ホテルに泊まることになります。ロンドン以外のホテルは、少々変わったものが多い印象です。今回はブリストル大学へ用事があり、その際に西側の都市ブリストルに宿泊しました出来事です。
ブリストルは、ケンブリッジからはロンドンでの数回の乗り換えの後約4時間。車内の暑さと、屋外の寒さを繰り返していた私は、非常に体力を消耗していた。最寄駅からも、ホテルまでは徒歩20分ほど。小雨の中を、何年も使っていたために、片方の車輪が引っかかりがちになってしまい、こじんまりしたスーツケースを辛うじて引きづっていたため、ホテルに着くや否やシャワーも浴びず、ベッドでとりあえず一休みすることにした。
しばらくして目が覚めると、欧米でありがちな少々効き過ぎに感じる暖房のせいで、耳が特に暑く、少々もうろうとした意識の中、手先がかじかむほどの小雨の寒い中でも汗をかいていたことに気づいた。何とかすっきりするためにシャワーを浴びようと、浴室のドアノブを開けようとした。
いろいろとだるいのだから煩わせないでほしいと思っているときに限って、ドアノブは固く閉まっていて開かない。どうしたことか。力を貯めてドアに足をかけ思いっきり回すと、なんとドアノブがしゃべった!
ドアノブ「あら、君は誰だい。もうひと眠りさせてくれよ。」
驚いた私は、疲れすぎかな?とは思いつつも、とりあえずドアノブに問いかける。
私「ああ、あの、シャワー浴びたいんですけど・・・。」
ドアノブ「あらそうかい。シャワーなら中だよ。でも、鍵はないからね。穴から通ってくれればいいけど。君は大きすぎるね。鍵穴から手を通して、内側の鍵を開けてもいいよ。」
私は、どうすればいいのか迷ったが、とりあえず、部屋からレセプションにつながる電話で、受付に浴室の鍵が開かないことを伝えようとして、受付につながる電話をかけた。
しかし電話では、どこかで、どうやら「誕生日じゃない日」をお祝いしているお茶会のような音楽が聞こえるくらいで、電話はいつまでたってもつながらなかった。
途方に暮れていた私に、ドアノブが話しかける。
ドアノブ「机の上にあるあれは、何だい?」
ドアノブから見て部屋の反対側に位置するの机の上には、ありがちなローカルフリーペーパーの他、何やらこじんまりとしたフルーツバスケットが置いてあった。バスケットにはそして何やら札が置いてある。
“EAT ME”
なんだこれは。とりあえず食べればいいのか?
疲れていて頭も働かない私は、毒見だとか、罠だとか考える余裕もなく、とりあえずリンゴを一かじりした。
あら?なんだ。普通のリンゴじゃないか。当たり前だが何も起きない。と思っていたあたりを見回すと、周りのものが巨大化している。ベッドが10倍くらいの高さになっている。壊れかけのスーツケースも見上げるほどの大きさに。よく見たら、スーツケースは上手く引きづれないのは、車輪に石が引っ掛かっていただったようだ。とりあえず、せっかく見つけたのだからと、この引っかかている石を外しておくことにした。
これは、周りが大きくなったわけではなく、どうやら体が縮んでいる。これなら鍵穴から中に手が通せそうだ。
ドアノブ「君、何やっているんだい。私はここだよ。」
ただ、ドアノブが、床から100㎝ほどの高さにあるため、全然届かない。
なんだこれは。これじゃ鍵穴どころじゃないじゃないか。そしてベッドにももう戻れない。寝て朝受付に苦情を言おうにも寝ることもできなくなってしまった。
そんな中今度は、コンセントの前あたりにこんなものが。
“SIP ME”
でも、さっきはこんなものあったっけ?ああ、もうなんなんだろう。もういいや、飲めばいいんでしょ。飲めば。
私は何も考えずに小瓶のシロップを一気に飲み干した。
今度はさっきよりも急激に一気に周りのものが小さくなっていく。あれ?小さいどころじゃない。体がニョキニョキ大きくなっていく。部屋自体はそんなに大きくないのに、体が大きくなっていき、止まる気配がない。さっきのリンゴももう届かない。とっさに窓を開けて腕を出す。それでもまだ止まらない。顔が押さえつけられて息ができない。苦しい。た、誰か助けて・・・!
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っていう夢を見ていた。苦しいと思ったら、クッションに顔を押し付けていた。
ただの夢だったようだ。汗びっしょりであったので、今後こそ何の変哲もないドアノブをひねり、シャワーを浴び、再び眠りに落ちた。
そもそも、ドアノブがしゃべっている時点で変だと思わないのか?というのはありますが、基本的に夢って、目が覚めて冷静になると変なのに気づきますが、目が覚めないまでの間ってそんなもんですよね?
次の日の朝、会場に向かってスーツケースを運んでいた際、壊れたと思っていた車輪はいつの間にかスムーズになっていた。
参考
EAT ME
イギリスの童話で特に有名なものの一つは、ディズニー作品にもなっているルイスキャロル作「不思議の国のアリス」。”EAT ME”と書いてある食べたら体が大きくなったり小さくなったりする食べ物が出てきます。不思議の国のアリス症候群の元。
Screen captures of the ‘Eat Me’ cookies from the 1951 Disney animated ‘Alice in Wonderland’
しゃべるドアノブ
不思議の国のアリスに局所で出てきます。結局カギを使って開けたことはなかったような。
何でもない日の歌/A Very Merry Unbirthday to You
宿泊したホテルは、こちら。Berkeley Square Hotel。こちらのブリストル大学の名物タワーであるWills Memorial Building towerから徒歩2分ほど。
不思議な国のエクスペディア
旅行を予約する際には、エクスペディアが便利です。ホテルや航空券だけの予約もできます。
エクスペディアなら、不思議の国へも行けるかもしれないので、ぜひ試してください。
ただEat MeとSip Meは部屋に置いてありました。※それ以外は通常のホテルです。変な夢が見れるとかではありません。