ヨーロッパの仕事観「仕事=罰」。【日本人/休み/時間/効率的/キリスト】


私はこれといった用事がないときは、週末も研究所のオフィスにいることがある。オフィスのほうがデスクもしっかりしているし、コーヒーなども入れやすい。そして何事にも集中できるので。何もずっと本業の研究のことだけをやっているわけではないが(例えばブログ書いたりもしている)、はたから見るとひたすら働いているように見えるらしい。さて週末にオフィスにいたところを見かけられた時のヨーロッパ人の反応が少し興味深かったのでまとめておきたい。

f:id:HajimeShinohara:20160415020148p:plain

残業はAshame

先日の土曜日の夕方、いつものようにオフィスにいたところを、偶然にもオフィスに来た(忘れ物を取りに来た?)イギリス人の学生に見つかった。彼は半分驚いたような、半分呆れたようなため息交じりの反応で、今日は働くべき日じゃないでしょ!と言っていた。

私は、残業代は別に出ないので、特に迷惑をかけているわけではないから、いいんじゃない?と思っていた。日本だったら「頑張ってますね」と思われすらしてしまいそうな感じすらするが、しかし彼ら的には、残業代も出ないのに土日に「仕事」なんて馬鹿げているというとらえ方のようだ。

これは何も同僚の学生の意見だけではなく、教員も似たような考えの様子。指導教官やファンドのマネージャーにさえ「働いてばかりではなく、土日くらいでかけたりして来ればいいのに!」と忠告を受けたこともある。土日はおろか、平日も18時以降にオフィスにいると、不思議がられてしまう。基本的に平日のいわゆる「通常の労働時間」以外では研究所は閑古鳥感が否めない。

残っているのはアジア人が多い

全体的な傾向として、週末や時間外もオフィスにいるのはアジア系ばかりである。休日に来る理由は、装置の時間が確保しやすいなど様々な理由があるが、それでもヨーロッパ人は意地でも休日にはオフィスに来たくは無い様子。これはもはや考え方の哲学的・根本的な差なのだろう。個人的には、人がいない時間のほうが集中できてよいように思うが、嫌な人は嫌なのだろう。

ワーク(仕事)に関する考えの差

私の考えでは、いわゆる「ワーク(仕事)」に相当するものは、現在では博士論文に関係する物性物理学の研究のみである、と思っていた。通常の日本人の感覚でもそうだろう。ところがどうやらそうではないらしい。共同研究で自分の研究以外のことをやっているのも、含んでよいどころか、いわゆる物性物理に直接関係がない、例えばレポートを書いたりだとか、申請書を出したりだとかも含まれる様子。

上記はまだいいのだが、これに加えて、ブログの誰かの役に立つような記事を書くことや、寄稿なども「ワーク」と考えてよい、という意見もあった。

そのほかの例では、ちょっと土日に言われた際に、私も、「じゃあ本でも読むわ」とKindleを出したりして読んではいたものの「地図と系譜を見ながらギリシャ神話を読むのは、それは「ワーク」だよ!」

じゃあポーカーでもやろうかな。「戦術読んだり、確率を計算しながらグラフ見たりしてるから、それも「ワーク」だよ!」

確かにこの2つは冗談交じりではあったものの、もはやそれらは、日本人、少なくとも私の感覚では全く「仕事」ではないのだが、それでも何かに真剣に取り組むのは「ワーク」なのかもしれない。傍から見ると文学の課題をやっていたり、数学の確率の研究をしているように見えるらしい。

少なくともスポーツは「ワーク」には見えないらしいが、真剣に戦術を考えたり動画を止めたり、巻き戻して見直したりしているところを見ると「ワーク」に見えるらしい。

要するに、彼らの考え方では「ワーク≒余暇以外のすべて」なのかもしれない。シリアスにならずに、リラックスして適当にやるべきということなのだろうか。「労働とは神から与えられた罰」という言葉もあるくらいですから、遺伝子レベルで嫌なのかも知れません。

Workの定義

さて、こういう時は、一応定義を確認してみることにしましょう。Wikipediaで仕事を日本語で検索したところ、「物理学分野での仕事」しかヒットしなかった。ようやくたどり着いた辞書はこちら。

1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。「やりかけの―」「―が手につかない」
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。「将来性のある―を探す」「金融関係の―に就く」
3 したこと。行動の結果。業績。「いい―を残す」
4 悪事をしたり、たくらんだりすること。しわざ。所業。「掏摸 (すり) が集団で―をする」
5 《「針仕事」の略》縫い物。裁縫。

dictionary.goo.ne.jp

日本で「仕事」というと、恐らく2番をさすことが多いのではないでしょうか?職業。とも書いてありますし。

これに対して、英語で検索すると、それっぽいものがあった。

Work (project management), the effort applied to produce a deliverable or accomplish a task

Work – Wikipedia, the free encyclopedia

何かを達成するための努力のことを仕事というみたいですね。この定義だと上の日本語辞書だと1をさすことになりそうです。

これに関する宗教的な考えの差に関するポストがありましたので、詳細はこれらをドランください。

ameblo.jp

matome.naver.jp

終わりに

彼らの感覚として、なるべく「仕事」はしたくないという考えたに基づいているようです。日本人のいってみれば「労働は正義」のような感覚からすれば衝撃です。しかし、どちらかというとこういった考えのほうが、世界的には多数派の可能性もあります。やっぱり自分に合う方法でやるのが得策でしょうかね。

シェア

関連記事