会議/学会/シンポジウム/セミナーの開催・運営のマニュアル/モデル


会議は参加者がいるということは、開催者がいます。大規模なものでは、組織や業者として取り組むこともあるかとは思いますが、比較的小規模の場合には、大半を1人でやることも多いかと思います。そもそも会議にもいろいろあり、国際会議や国際学会、コンソーシアム、シンポジウム、セミナーなど様々な言い方があるようですし、定義も様々でしょうが、本質的に平たく言えば「発表会兼交流会」でしょう。簡単のためこの記事では以下「学会」と表します。いろんな形式があるかと思いますが、今回は、比較的小規模な、一般的であろう1日、ディナー込みのものを考えたいと思います。なおモデルは、毎週のように行われている、ケンブリッジ大学で開催されている、一般的な一日カンファレンスの経験をもとにしています。

国際会議・国際学会・シンポジウム・セミナー・コンソーシアムなどなど、開催・運営の際のモデル・マニュアル

事前準備

会場の予約

当然といえば当然ですが、会場の予約が必要になります。本当に会場も形式も多岐にわたるかと思いますが、1日開催の場合には、主会場と立食会場という形が主ではないでしょうか?ディナー付きの場合、宴会会場の予約も必要になります。

宣伝

このような学会の宣伝はひっきりなしに来るので、内容がどのようなものか、日程や費用などが見やすく明確に書いてあったほうが喜ばれるかと思います。出来れば、それはもう、やたら具体的に。少なくとも同業者かそれに近い分野であれば、ものすごく具体的な内容が書かれていたとしても「大体こんな感じなんじゃないか?」と予想することはそこまで難しくありません。逆に抽象的なことから具体的なことを想像するのは非常に難しいです。

この時点で著名な方が参加されていることが決定されているなどで宣伝されていることが多い印象です。

登録・エントリー

カンファレンスを聞きだけに行くというのはあるかとは思いますが、おそらく非常に少数派でしょう。特に1日で終わるような小さいものでは尚更です。よって参加者≒発表者ということになります。発表は勝手にいって勝手にやるわけではなく、事前に登録が必要になります。その際には通常の場合発表要旨、いわゆるアブストラクトが必要になります。

アブストラクトとはこういうやつです。

日本鳥学会

特に参加したことがないものの場合には、アブストラクトの例やフォーマットが有効になります。それによりどれくらいの長さでどれくらいの詳しさで書けばいいかが、応募者も予想することができます。

参加に際してはメールで「『氏名、所属、要旨、その他必要事項』をお送りください」と直接書くよりも、参加用の登録フォームを作り、リンクを送る方が、登録者側としても参加がしやすくなります。登録する際にも「メールを送ってください」よりも「このフォームを埋めてください」のほうがとっつきやすくないですか?「その他」というのは、予想の斜め上を行くようなものが非常に多いので、その他がある場合には個別に連絡をくださいと書いた方が参加者側も開催者側も効率的です。PayPalをうまく使えばこの時点で会計もほぼ自動でできます。

特にGoogleのフォームの場合には自動的にスプレッドシートに保存ができ、自動返信機能も設定できるので、管理もしやすくなります。ディナーの参加可否、ベジタリアンやハラル料理、食事のアレルギーのアンケートもここで入れるべきでしょう。その他ホテルの予約や、駐車場などまで、オプションで必要になりそうなものは、なんでもここで入れておいた方が登録者としても分かりやすいですし、管理上も便利です。

こちらの記事が参考になります。30分で作れる!セミナー受付がラクになる自動システム

連絡

経験上開催日が近くなってきたら、参加予定者に対して、メールが届くことが多いです。勿論規模が大きい場合には口頭発表者とポスター発表者基調講演者など分けて連絡する必要があるかと思います。こちらも、当日の連絡をマップなどを逐一貼り付けて送るよりは、ウェブサイトをのページを作りそこに挙げておき、リンクを送る方が、何かと便利です。

当日

いちいち作るのが大変だったので、最近自分が参加したものをそのまま持ってきました。これに沿って行きたいと思います。

Graduate Conference分野横断型の学会での発表ケンブリッジ大学/大学院

登録・レジストレーション

登録は、必要なもの、アブストラクトなどを配布します。大体は入り口付近の机の上に道具を並べておく形式をよく見かけます。

スポンサーがついている場合はその広告やグッズも入っている手提げ袋などで貰う場合もあります。この際にレシートや参加証明書などが入っていることがあります。

ここで毎回最重要であると感じるのはネームバッジです。そもそも交流会なので、初対面の人が多くなります。その際に相手の名前と所属がわかると、非常に話がしやすくなります。お互いに超有名人で自己紹介をしなくてもいいほどの人ばかりであれば問題はないかと思いますが、一般的にはそうではないでしょう。特に国籍が多岐にわたるような場合では、発音もスペルも分かりづらいでしょうから、特に重要になってきます。

(個人的には、普段のディナーでも友人の友人など初対面の人に会う機会は多いので、どこかのカンファレンスで貰ったネームバッジを、ジャケットの胸ポケットに常に入れています。)

1日完結型のイベントの場合、レジストレーションは大体午前中でしょう。経験上登録会場の近くには、立食用のコーヒー・紅茶、水が置いてあります。朝の場合は朝食のようにパンやクッキーが置いてあることが多いです。

発表

主に発表は3種類、招待講演、応募した参加者による口頭発表とポスター発表に分かれます。午前中ひとつ、午後2つなどの複数のセッションに分かれます。異業種交流を主としているようなものでない限りは、各セッションは統一感を持たせた方が好まれます。なぜならば、参加者も全く関係がないセッションの時は休憩にしたり、ほかの人と話す時間や他の人との個人的な話し合いに利用できたりなど、いろいろな利便性があります。おそらく参加者も同じテーマが続いた方が疲労感が少ないはずです。

招待されて参加している著名な方の基調講演は、最初か最後であることが多いです。今回の場合は最初でした。

口頭発表会場

口頭発表会場は、演壇があったりなど形式は様々ですが、本質的には1人の発表者の発表を残りの参加者が聞く形式になります。大半の場合は、大型スクリーンを使ったプレゼンテーション形式でしょう。発表スライドを送る形式か、当日発表者がパソコンを持参し、それを接続するのかはまた、イベントによるかと思いますが、守秘義務の関係もあって後者のようにパソコンを発表者が持参の形式のほうが多く見受けられます。

ひとつのセッションは大体2時間程度です。1日の場合は午前中1セッション、午後2セッションが多いでしょう。セッションの合間はコーヒーブレイクと呼ばれ、上記同様の水やコーヒーのテーブルが置かれます。会場の後ろや廊下など。

ポスター会場・ランチ

ポスター発表は、壁にA0やA1サイズのポスターに研究内容を書き、それを壁に貼って行う形式です。大体パネルに番号が書いてあり、自分の発表要旨・アブストラクトの番号に一致するように事前に貼っておく必要があります。ポスター自体に関しては以下を参照ください。

国際会議・国際学会発表用の持ち物。持ち運ぶポスター布・素材別比較

さて、ポスター会場ですが、日本では昼食と別々だった記憶がありますが、ランチを立食形式にして、ランチとポスターセッションが同時に開催されていることが非常に多い印象です。

ランチの設置場所とポスターの設置場所がかなり重要です。別々の部屋にすると、誰もポスターを見に行かないということが往々にして起こります。

私が一番いいな、と感じたのは、立食用のランチ、大体サンドイッチや巻物やコーヒーなどが置かれたテーブルが、ポスターのボードで囲まれている形式です。

テーブルとポスターの距離は近すぎず、遠すぎずという感じです(上の写真では少し近すぎます)。約2.5から3メートル程でしょうか?近すぎると人が通りづらくなるためにポスターの説明や質問がしにくくなります。一方で遠すぎると、同じ会場に設置した意味がなくなります。居心地が良い距離の「コンフォートゾーン」などと関係がありそうですが、よくわかりません。丁度いい感じに置いてあると、昼食を食べながら夢中で話し合うようになります。

数にもよりますが、分野ごとに大きく2つに分けて、片方のグループはサンドイッチ等食べ物のテーブルを囲い、もう片方では飲み物のテーブルを囲ったりすれば、必然的に人がポスターの周辺を歩き回る環境が出来上がります。

特に国際会議で目の当たりにする初対面の人と話すのが苦手な日本人にとっては、食べ物を食べながら、ポスターが近くにあると、話すネタがいろいろあるので、初対面の人とも話しやすくなるのではないでしょうか?

国際会議・国際学会で最も話しかけづらいのは、あまり発言しない日本人同士のグループだった話

ディナー

最後に発表が終わった後は、食事会がついていることが多いです。

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ドリンクレセプション

これは完全に欧米式な印象ですが、いわゆる「プレドリンク」です。ディナーのテーブルに着く前に立ちながら話し合います。大体シャンパンが出ます。日本では、これは飛ばしてもよさそうです。理由はよくわかりませんが、この話の際に盛り上がった人と、そのままの流れでテーブルに着くことが多いです。

せっかく集まっているのですから、食事の際は普段話す機会がないような初対面の人とテーブルにつくことを強くお勧めしますが、日本ではなかなかそうはいかなそうです。

ディナー

ディナーでは必ずと言っていいほど挨拶があります。日本だと乾杯前でしょうか?

こちらのコース料理の場合には、前菜・メイン・デザート・コーヒーですが、挨拶はデザートの後、コーヒーの前に行われます。日本のしばしご歓談中でしょうか?その際に表彰や連絡などが行われます。

二次会

二次会というのは、こちらではあまり聞きませんが、日本では抑えておいてもいいかもしれません。

フォローアップ

大体主催者側から参加のお礼や関連イベントの宣伝メールが来ます。集合写真を撮っている場合にはそれが添付されてきていたりなど。

 

以上、経験をもとに学会やシンポジウムの開催の際の注意点をまとめてみました。参考いただければ幸いです。質問などもあれば随時追加いたしますので、ご連絡いただければ幸いです。お問い合わせフォームはこちら

さらに大規模で体系的なものは、こういったサイトが参考になります。

日本政府観光局 開催マニュアル

とっとりコンベンションビューロー コンベンション開催マニュアル

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